不妊治療とOHSS、そして職場バレ
卵巣刺激症候群(OHSS)とは
実は、採卵時の失神で車いすで運ばれたネコは、
目を覚ましたあと看護師さんから「血液検査の結果、OHSSだと分かりました」と言われました。失神が落ち着いてからの採卵後診察で言われたのは、
「1週間ほど、自宅で安静にしてください」
「尿量測定してください」(差し出される、たくさんの検尿紙コップ)
「腹囲もやわらかい巻き尺で測定してください」(渡される、グラフ用紙)
おいおいおい~~。
午後には最寄り駅が同じ職場に出勤するつもりで、午前休で来たんだが!!
採卵時の失神で、頭グラングラン&もはや自力で帰れる状態ではない中、
夫に迎えに来てもらい自宅に帰る手配
上司に状況説明
しつこいようだが、採卵後は出勤するつもりで電車で来ていた。
上司からしたってね、寝耳に水だわ。「不妊治療をしている」「不定期に休みを取る」「迷惑かけることになるかも」とは明かしたものの、
その後、一度目の電話で
「スミマセン、今日午後から出勤予定だったんですが、失神して会社に行けなくなりました」
と告げただけでも、職場は大騒ぎだったのに、ほとぼりが冷めた後のOHSS判明で、二度目の電話。
「あのスミマセン・・・、治療の副作用で卵巣が腫れて腹水がたまってしまったので、しばらく自宅安静を指示されました」
「あの・・・結論、今日からしばらく会社行けません💦」
「迷惑かけることになるかも」どころの話ではない…。ただただ「迷惑」だ。私は「不妊様」になってしまったかもしれない…と泣けた。
いやもう、「採卵、採卵」と気軽に言うけど、これ素人目からすると日帰り手術なんですわ。実際、医療的には「採卵術」と明細には記載されています。そりゃメスを入れたり、腹腔鏡ほどの身体的侵襲はないにしろ、膣から子宮通って、卵巣まで長い針を刺すんだから、「注射」なんて生易しいモノではなかった・・・!(今更ですが)
正直、私はなめてたんですね。
大したことない
ひどめの生理痛みたいな痛み
終わってしばらく休めば、日常に戻ってよい
いわゆる「注射」のようなもの
そもそも、病気じゃないし
みたいな。耳障りのよい言葉だけピックアップしながら、人から聞いて、ウェブを見漁って、「私も、日常生活の中で、今までと何ら変わりなく不妊治療をこなせるだろう」と。
でも、現実はホルモン補充で、脂汗をかきながら頭を締め付け閃光が見えるほどの頭痛や体調不良に見舞われ、採卵したらしたで、痛みで失神するわ、ホルモン補充の影響でOHSSになり、自宅安静。
はい。
「全然、仕事と両立できそうにない」フラグがバンバン立っていました。
不妊治療が職場にバレた
後日談として分かったのは、私が「不妊治療している」ということは、部署の全員に知れることになった・・・、ということ。
もともと、上司からも「勤務形態からして、ずっと内緒にしているのはむずかしいかもね」と言われていた。私も「いざとなったら、理由を知りたがる人には伝えていいです」とお願いした。
この頃の仕事は、顧客への訪問アポイントを日に4~5コ入れるのが日常の勤務形態で、人が一人休むと大変な調整を強いられる現場だった。
顧客の訪問アポは、業務の特性上、直前だと日をずらせないことがほとんど。
だから、「明日、急遽2時間早退することになったから、この人のアポを誰か変わってくれないか?」みたいな1件だけのお願いも、かなり相手の負担になる。そんな職場だった。
のに、なのに、確定アポがあるのに一週間も来れないとか、ホント無理なのだ。
しかも職場には、あの日「スミマセン、倒れちゃって今日行けなくなりました」からの「スミマセン、副作用で1週間くらい自宅安静の指示が出たため、会社に行けなくなりました」と二重の連絡をしたものだから。
職場のおじさんがすごくすごく、それはもう慌てふためき心配してくれたのだ。
「ネコはどうしたんだ?」「ネコはどこか体が悪いのか?」「上司さんは、何があったか知ってるんでしょ?」
最初は内緒にしてくれていた上司も、おじさんの気迫に押され、ポロリとみんながデスクを並べる部署の場でお伝えした次第。
あまり知られたくはなかったが、こう休みが続いては、そしてこれからも休みが続いていくのであれば、やはり理由を明かさずにお願いだけし続けるというのは、ムシが良すぎる。
だいたい、この突発的な長期休みでも、だいぶ部署の皆に迷惑をかけてしまった。あまり記憶はないが、たぶんお詫びのための配り菓子を用意して、私は再出勤したのだと思う。そのくらい、オオゴトの大迷惑だった。
そんな経緯で、私の場合、割と早く職場バレしてしまった。
そして、自宅安静をしている間、トイレのたびに尿量を測り、グラフ用紙に書き、1日4~5回は腹囲測定の指示があったと記憶しているが、毎回毎回、メジャーを腹にあてて、腹囲を測り、またグラフ用紙に書き込んだ。
そして、ただひたすらに布団の上でたゆたうだるまと化していた。体はずっとだるかった。
不妊治療と職場のおじさんからのクソバイス
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