ASD息子のユニークな友達不要論?
息子は20年前、3歳でASDの診断を受けました。
しかし23才になった今、プログラマーとして社会でふつうに暮らしています。
今でも残っているASDの片鱗を、しいて挙げるとするなら
・文章を書くのが苦手
・ひとりが好き
学生時代によく、2週間以上も一人旅に出ていたので、やはり基本は一人が好きなのだと思います。
■ 子ども時代
息子は、保育園から小学校低学年くらいまでは、ほぼ決まった友達はいなかったと思います。
しかし、全く寂しそうではなく
家に帰ってくれば、家で1人で楽しそうに遊んでいました。
保育園時代、私は同じクラスの親御さんたちに、保護者会で息子の特性について、さっさとカミングアウトしていました。
なぜなら、隠して暮らすより
まわりの人に理解してもらって暮らす方が、本人が暮らしやすいと思ったから。
彼を社会で暮らせる大人にするには、幼少期こそ、周りの協力が必要だと思ったから。
すると、保育園ではお世話好きの女の子や、優しい男の子がいつも息子を手伝ってくれました。
◇ ◇ ◇
小学校に入ってからも、保育園と同じようなメンバーだったので
いちいち周りに説明する必要もなく
みんなが息子のことを理解してくれて
彼はずっと、とても楽に暮らせていたようです。
相変わらず、友だちはあまりいないけど、帰ってきてからは妹とずっと遊んでいました。
◇ ◇ ◇
中学校でも、一人でいることが多かったようですが
学校の話も、ときどき私にしてくれていたし、普通に学校に行っていたので
私も気にせず暮らしていました。
2歳年下の娘が
兄は学校で、わりといつも一人でいると私に教えてくれたので、初めて知ったくらいです。
しかし、やんちゃな子たちのトラブルには巻き込まれないタイプだったので、それはそれでいいと、私は感じていました。
どうやら、必要なときだけ友だちが関わってくれて、一人でいたいときは一人でいるのが、彼の暮らし方。
周りも、小さいころからそれをよくわかっているので、そっとしておいてくれる、いい距離感。
息子が不登校にならなかったのは
周りの人のやさしさはもちろんのこと、
幼少期からの長いおつきあいの友達と、無理せず自然体で、ずっと暮らせたこと
これらの要因もあるように思います。
◼️ 大人になった本人はこう語る
現在23歳の息子本人は、今、自分のことをこんなふうに語っています。
え、気づかない? (;゚Д゚)
こんなふうに、ASDの彼にとっては、一人でいることは取るに足らないことのよう。
寂しいとか、友達がいなくてみじめとか
そーいう感覚は
親が心配するほど、
持ち合わせていないみたいです。
考えようによっては、
彼はお得な性格なんだなと思います。
へたに「一人で寂しくない?」
なんて聞いていたら
「ああ、そういえば寂しいかも」なんて気づいたりしてたかも。
■親が必要以上に過敏になると逆効果?
大人になった彼は、たくさんの友だちと今、楽しく過ごしています。
そして今でも、人との関わり方を、日々試行錯誤しながら自分で模索しています。
親は、子どもの本来持っている力を信じて、まるで水が流れていくように
力を発揮できるような環境を整えてやる
そして、本人からの発信を決して見逃さず、ポジティブに受け取り、よい方向へ導いてやるだけ。あとは自分で切り拓いていけばよい
それは、健常児でも発達障がい児でも同じように思います。
親の役割とは、先回りせず
水先案内人のように暮らすのがよいのかな、と思っています。