忘れっぽい詩の神
「オイ、お前の名前はなんと言うのだ」
「えーと・・・ ハテ ? 私の名前は〜・・・ハテ〜 とんと思い出せんな~」
忘れっぽい詩の神は首を捻ったり遠くの山を眺めたり、腕を組んで考えています。
「オイオイ、年に一度のおお・おお・神様に受け持った仕事の報告をする日だぞ、この名簿に名前を記さなければならないのに、自分の名前を忘れただと、呆れて何も言えんわ」
続々とあちらからこちらから、あさっての方から色んな仕事の神様達が報告をする為に次から次に名前を名簿に書いて報告の門の中に姿を消して行きます。
「あっ 思い出した」
「そうかそうか、では思い出した名前を書いて早く報告の門をくぐってくれ」
忘れっぽい詩の神はスラスラと書いて行きます
「どれどれ、なんと言う名前だったんだ ?・・・”しの神 ?” これは仕事の名前だろうが! それに (の) を (に) にすると 死神じゃぁ~ないか、ダメダメ 生まれた時に授かった名前だよ、何とか思い出せ」
「いや~はや~、随分長い名前だった様な記憶があるな~」
「そうかそうか、では書いて見ろ、徐々に思い出して書ける筈だから、さあ書いて見ろ」
「本当に書いていいのかな~? 」
詩の神は渋々名簿に名前を書き始めました。
オオー良かった良かったと今年の門の管理の神様はホッと胸を撫で下ろしました。
だが、詩の神は何時まで経っても書き終わらないのです、不思議に思い覗き込んだ門の管理の神様は唖然として口を開けたまま暫く自分の目を疑ってしまいました。
そこに記されていた名前は・・・・・・
寿限無寿限無五劫のすり切れ海砂利水魚の水行末、風来松食う寝るところに住むところやぶらこうじのぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助