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人魚の私が連れ去るあなたは想い人

【人魚の私が連れ去るあなたは想い人】

「こんにちは、お兄さん」

私はお兄さんが目を覚ましたところを挨拶した。

「何だこれは!なぜ俺は生きている!」

お兄さんは水中の中で普段通り息できている事に慌てていた。


「慌てないでお兄さん、私のキスで息ができるのよ」

私はお兄さんに微笑みながらウィンクをして伝えた。

「何をしているんだ、初めてを」

お兄さんは少しズレているようだった。

「ふふふ、初めてをありがとう」

いたずらな笑顔をお兄さんに見せた。


「この状況は仕方ないな、落ち着くよ」

お兄さんは動揺を隠せていなかった。

「よかったよ、落ち着けて。名前聞かせてくれる?」

徐々に落ち着きを取り戻す、お兄さんに名前を聞いた。

「俺は壱だ。一番の壱。カッコいいだろ!」

壱は腰に手を当て踏ん反り返っていた。

「かっこいいね。私はヤンリオナよ。

 ヤンと呼んで、よろしくね」

私は壱に手を差し出した。

「よろしく。なぜ俺はここに来たんだ?」

壱は私の手を握った。


「壱はここに来たんじゃないの。私が連れてきたの」

壱を連れてきた事を自白した。

「ヤンがやったのか。海で遊んでいたのに」

壱は連れ去られた時を覚えてるみたいだった。

「ごめん、1人になるのを待ってたの」

遠くから壱の場所を確認して、

真っ直ぐに向かっていた時を思い出していた。

「何をしてるんだ、まったく。

 水面に顔を出すとか他の方法があっただろ」

壱は死ぬとこだったんだという感じに怒りが顔に出ていた。

「ごめんなさい…。想える人を見つけて、周りが見えてなかったの」

私は俯いて、しゅんとなり反省をした。

「そうだったのか。詰めてしまい悪かったな。

 しかし、反省はしろよな」

すまなかったと頭を掻いていた。


「わかった。それで壱、想い人になってくれるか?」

私はドキドキと不安が混ざりながら聞いた。

「それは良いけど、俺人間だからなぁ」

壱は、どうしようかと迷っていた。

「大丈夫。壱に迷惑はかけない。

 陸上でも過ごせるように調整する」

壱のことを想いながら話した。

「わかった、ヤン。よろしく頼むよ。

 だけど次からは急に水中へ連れ込むなよ」

壱は私にデコピンをして、お返しのように笑顔でいた。




【最後に】

『人魚の私が連れ去るあなたは想い人』を読んでいただき、ありがとうございます。

・これからも500~1000文字程度のすぐ読める空想物語を書いています。

『スキ・フォロー』して楽しみにしていただけたら嬉しいです。

・「楽しかった」・「つまらなかった」など、あなたの正直な感想もコメントに書いていただけたら嬉しいです。

・古い空想物語から少しずつ『有料化』していきます。
まだあなたが読んでない空想物語がある場合お早めに読んでください。

あなたの中の一冊になれるよう応援をよろしくお願いします。


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