お嬢様はデザートを召し上がった後に
【お嬢様はデザートを召し上がった後に】
「ケーキですよ、スーロお嬢様」
一口サイズに分けたケーキをお嬢様の口へ運んだ。
「あーん。いつもと同じように美味しいわ」
口の中へケーキを入れたお嬢様は喜んでいた。
「ありがとうございます」
お嬢様のお口に合い、礼を言った。
「まだまだデザートがあるのでしょう?
持ってきてくださらない」
糖分がまだまだ足りなさそうに私に言う。
「かしこまりました、ただいま御用意いたします。スーロお嬢様」
ワゴンへ食器を乗せ調理場へ足を向ける。
「ティベリア、紅茶も頼むわよ」
私は呼び止められ紅茶の追加をされた。
「はい、かしこまりました。
スーロお嬢様、少し失礼いたしますね」
私はスーロお嬢様の口の端に付いたクリームを指ですくった。
「なにしてんのよ、まったく」
お嬢様は照れて、フンっと顔を背けていた。
「綺麗なお顔に付いていたクリームを取っただけです」
私は指のクリームを見せ、いたずらに微笑んだ。
「うるさいわ。デザートを早く持ってきて」
お嬢様は恥ずかしそうに、早くと私は急かされていた。
「では、行って参りますね。少々お待ちください」
私はワゴンを押して調理場へ行った。
「もう、ティベリアは恥ずかしいことをして。もう…//」
お嬢様はぶつぶつと独り言を呟いていた。
「スーロお嬢様、持ってきましたよ。
モンブランにミルフィーユ・クッキーにマドレーヌ。
たくさんのデザートを持ってきましたよ」
ワゴンからテーブルへデザートを広げる。
「ありがとう、ティベリア」
目を輝かせてお嬢様はどれを食べようかと迷っていた。
「紅茶はダージリンで甘さと渋みでバランスを取りました」
私は楽しそうなお嬢様へ紅茶を差し出す。
「美味しいわね。
毎度ティベリアのセンスある組み合わせには感動だわ」
お嬢様は満足そうにデザートを食べ進める。
「もったいないお言葉です。スーロお嬢様」
私はお辞儀をして感謝の言葉を述べた。
「謙遜なんてしなくていいわ」
顔を両手で挟んでお嬢様の方へ持っていかれる。
「スーロお嬢様、どうしましたか?」
私はお嬢様の顔が近づくのを少しドキッとしつつ聞く。
「ふふ、ティベリアありがとう」
お嬢様は私の頬にキスをした。
【最後に】
・『お嬢様はデザートを召し上がった後に』を読んでいただき、ありがとうございます。
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