”果て”を知りたがる7才の少女
7才の時の私が一番知りたくて一番不思議だったのは、「空の果て」と「地の果て」がどうなっているか、だった。
困った母親が頼った先は、「こども電話相談室」
一番古い記憶は、私が小学校2年生の時。母親に、「空の向こうのさらに向こう側はどうなってるの?」と聞いた。母がなんと答えたのかは覚えていないが、私は納得いかなかったのか、その後周囲の大人たちに聞いて回った。それでも納得できる答えは得られず、最終的に「こども電話相談室」というラジオ番組に電話をかけて聞いた。(母親が”そんなに知りたいならラジオに電話してみる?”と応募してくれたらしい)
ラジオの学者の先生の答えも、多分私は腑に落ちなかったんだと思う。なぜなら全く覚えてないから。
大人になった今も、(私にとって)芯を食ってない内容や腑に落ちないことはいくら聞いても脳を1ミリもかすらないまま、「すいません、聞いてませんでした」状態になる傾向がある(色んな人たち本当にごめんなさい)。
そして少女だった私が、この「空の向こうの宇宙の向こう」と同時に最も不思議だったのが、「地面をずーっと掘っていったら何があるのか」だった。
空の果てと地の果てを、知りたくて知りたくて仕方なかった。
地面の方は”マグマというのがあるらしい”という当座の答えらしきものを得られた。が、私のこの現象は、やっかいなことに色んなコトに対して発生した。
やっかいさに輪をかけたのが、少女の私が疑問と興味を抱く対象のほとんどが、物体としての「モノ」ではないことだった。
「存在」について考えた悩める小学6年生
小学校5、6年生の時、子供ながらになかなかにツライ時期を過ごした。
担任教師がかなりの曲者で、ここで書けないほど生徒たちを道具にやりたい放題だった。私たちは毎日無事に過ごすことを唯一の目的にして、まるで存在を消すように息をひそめて二年間を過ごした。(その教師は、私たちが卒業して数年後に問題が明るみになり解雇される)
4年生まで楽しかった学校。でも今は気分が晴れない。でも11才の私は、解決する手立てをあまりにも知らず、そしてその勇気もなかった。
宇宙と地中の果てにワクワクしながら疑問を抱いていた7才の少女は、曇った顔で「自分の存在」「体と中身(心というよりも魂の意味に近い)」「人間の感情について」などについて、考えるでもなく考えていた。
そしてこれは、少しずつ私なりの答えを出しながらより抽象度を増し、大人になった今も興味の対象かつ大きな疑問、そして追い求める命題として抱き続けている。
”果て”の正体
7才の私が”果て”を知りたかったのは、要は本質を知りたかったのだ、と大人になってからわかった。
「こういうふうにできている」、というその大元の仕組みを知ることができたなら、それは他の事象にも応用波及し、この世の理解に一歩近づける。
きっかけが単なる興味でもツライ出来事でもなんでも、私が強烈に”知りたい”と思う一点は常にそこだった。
生き物の一つでしかない人間
生物学では植物と動物は区分けされているが、私の中ではその区分けはあまりない。違いはあるけど。
こうして幼少期から人間の存在や感情の仕組みについて調べ考え続けた結果、地球上の他の生物にも想いが及ぶようになっていった。
特に植物。
そこらへんに生えている草木でも、深い山中の木々も、彼らはまっとうに育ち、まっとうに死んでいく。
私たちと、何も変わらない。
よりシンプルにその「生命」のプロセスを記してくれる植物たちの在り方に、私は強烈な共通点を感じた。
植物と我々人間は見た目や学問上の分類も全く違い、到底”同類”だとは思えなからこそ、この共通点に意味があると思った。
人間と植物の境界は、本当はない
全く関連のない別存在のように感じるけれど、人間同士が影響しあうように、植物と私たちも当然深く関連している。科学的にだけでなく、存在としても。
このひとつながりの「関係しあってる様」は、地球上どころか宇宙の星々も同様だ。
関係しあっている。
これは、今の私の確信の一つだ。
だから私はコレを作る
と、こんな感じの背景があり(とてもじゃないが全ては説明できないけれど)、私はこれから作る作品に向けたテーマを絞った。
1:植物との関係
2:自分の存在
3:本当の姿
これまでずっと自分の中のこうした疑問やテーマ、気持ちや考えを都度ノートに記し(時には感情がぐちゃぐちゃのまま乱雑に書きなぐり)、そのノートは多分100冊以上にはなっていると思う。
最初の方は見返すこともあったけど、続けるうちに見返すことをしなくなり、書いた後の重要な気づきや発見は「うん、これだ」と感覚でわかるようになっていった。
そして、書き溜めたノートたちは、2,3年に一度すべて捨てている。
なので過去の私が何を書いていたのか正確にはわからないが、重要な気づきや発見は、今も覚えており、今も私の中にある。
正直この過程を経ての3つのテーマの抽出になってしまい、偏愛シートも作成したけどオマケのようになってしまった・・・