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えぶりでい、もっちもち。

「今年はお餅、作らなくてもいいから。」

2020年12月末。
母が電話の相手に向かって強く言葉を投げかけている。

『 そんな訳にいかねぇ!!! 』

受話器から更に強い言葉が返ってきた。叔父だ。

この言い合いが始まると長くなるので、私は夜ご飯の準備をする体で台所へと逃げ込んだ。

毎年、我が家の餅つきは祖父の仕事だった。

祖父は季節になると親戚みんなに送ってやるんだと朝早くから起きて餅つき機と向き合っていた。
そう言えば、たたみ2畳分を埋め尽くすほどの数量で餅が完成した年があったな。
あの時は、流石にちょっとだけ怒られていた。
( 作っているうちに楽しくなってしまったのかもしれない。 )

叔父は毎年祖父と餅つきをしてきたから、何かしていないと落ち着かないのだと思う。

祖父の葬儀から叔父も母も相当滅入っていた。
当然の事だけれど悲しみも大きかったし、慣れない手続き等に追われた事も大きな原因だったと思う。

静かに新年を迎えようねと言ったのは、11月頃だったろうか。
それから暫くは穏やかな日が続いたように思う。

*…*…*

『餅つき機が壊れちまってよぉ…』

母と叔父が餅の件で些細な言い合いをしてから数日後…
12月30日、内容のわりにケロッとした様子で叔父から電話がかかってきた。

そっかー、じゃぁ残念だけどやっぱり今年はお餅はいいよ

そんな返事をしようと口を開けると

『だで、新しく買っただー。今、餅ついてるで、夜にそっち行くでな!』

おっと、想定外な事を言われてしまった。

天井を見つめながら

そっか、わかったよー

とつとめて明るく返事をして受話器を置くと、不機嫌な母が

「どうすんの…!?」

と、聞いてきた。

「あんた、さっき、1キロの切り餅買って帰ってきたけど、どうすんの…!?」

エブリデイ☆オモチ☆ニューイヤー(???)
が確定した瞬間だった。

元日Twitterにて

“優しくてもっちもちな1年になりますように🤗”

と呟いたけれど、わが家は年末から既にもっちもちなのであった。

*…*…*

…おかしいな。
本当はもっと違う事を書きたかったんだけどな…。

お餅は砂糖醤油で味をつけるのが1番好きです。

*…*…*

もちっと、ゆるっと
本年もよろしくお願いいたします*

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