失敗の原因は仕組みにあり【前編】人を責めずに改善する方法「DXの進展で実現する効率的な業務運営とヒューマンエラーの具体的対」|#DX企画書のネタ帳
こんにちは、近森満です。
今回は以下の内容でお届けします。
【タイトル】
失敗の原因は仕組みにあり【前編】人を責めずに改善する方法
DXの進展で実現する効率的な業務運営とヒューマンエラーの具体的対策
【記事概要】
この記事では、業務における失敗の原因について考察します。特に、仕組みやシステムの不備が原因となる場合が多く、人間のミスではないとする視点を中心に展開します。失敗を防ぐためには、どのような仕組みが必要なのか、また具体的な対策についても詳しく解説します。
【目次】
【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
【本文】
はじめに
おはようございます、近森満です。今日もデジタル業界で活躍されていますか?私はデジタル業界に40年携わっており、毎日DXの話題をお届けしています。今日は「失敗の原因は仕組みであって人のせいではない」というテーマでお話しします。このフレーズ、最近よく耳にすると思いますが、これが本当にそう言えるのか、深掘りしてみたいと思います。
失敗の原因は仕組みにある
最近、多くの企業や学者が「失敗の原因は仕組みであって人のせいではない」と述べています。これは、人に責任を押し付けるのではなく、仕組みやシステムを見直すべきだという考え方です。特にデジタル産業やIT業界では、この考えがますます重要視されています。では、なぜ仕組みが重要なのか、具体的に見ていきましょう。
DXの流れとe-learningの例
DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、e-learningが普及しています。e-learningは、20年以上前から存在していますが、現在ではネット上のコンテンツを選んで学ぶスタイルが一般的です。例えば、私が提供している研修授業もe-learningを活用しています。これにより、人手を介さずに受講から終了まで一貫して行うことができます。
(1) 事例: e-learningの流れ
e-learningの基本的な流れは以下の通りです。
受講者が申し込みを行う
決済が行われる
IDとパスワードが提供される
コンテンツの受講が開始される
Q&Aの対応やチャットボットの利用
学習終了後に確認テストを行う
結果に応じて修了証を発行する
この一連の流れがシステム化されているため、人的ミスが発生しにくいのです。
人のミスを減らすためのシステム化
人間の手を介する部分が少ないほど、ミスは減ります。例えば、私たちが提供するe-learningでは、申込受付から学習、修了までがシステムで完結します。このように、システム化することで人的ミスを最小限に抑えることができます。DXの進展により、こうした仕組みがますます重要になっています。
ヒューマンエラーの具体的な原因
キーエンスの「物づくりの現場」サイトでは、ヒューマンエラーを防ぐための対策が紹介されています。ここでは、ヒューマンエラーの具体的な原因を紹介します。
(1) 不注意
作業に集中しすぎると、周囲への注意が欠けることがあります。
(2) 意識低下
長時間の作業や単調な作業は、注意力の低下を招きます。
(3) 疲労
疲労が蓄積すると、通常の動作ができなくなり、ミスが発生しやすくなります。
(4) 錯覚
指示を聞き間違えたり、状況を見誤ったりすることでエラーが発生します。
(5) 経験不足
未経験者や作業をよく理解していない人が引き起こすエラーです。
(6) 慣れ
作業に慣れ過ぎると、注意が緩み、確認不足によるエラーが発生しやすくなります。
(7) 連絡不足
情報の伝達が不十分で、作業者同士のコミュニケーション不足がエラーを引き起こします。
(8) マニュアル不備
作業手順が正確に決まっておらず、作業者が手順に従わないことでエラーが発生します。
(9) リスク放置
危険を認識していても対策を後回しにすることでエラーが発生することがあります。
ヒューマンエラーの具体的な対策
ヒューマンエラーを防ぐための対策は、原因に応じて適切に講じることが重要です。以下に、具体的な対策を紹介します。
(1) 不注意への対策
作業環境を整え、集中力を維持するための休憩を定期的に取る
作業手順書を明確にし、常に確認できるようにする
(2) 意識低下への対策
作業の分割と適切な休憩の導入
作業の単調化を防ぐための業務ローテーションの実施
(3) 疲労への対策
適切な作業時間と休憩時間の設定
作業者の健康管理を徹底し、疲労を軽減する対策を講じる
(4) 錯覚への対策
作業手順の見直しと明確化
ダブルチェックや相互確認の徹底
(5) 経験不足への対策
作業前の十分な教育と訓練の実施
経験者とのペア作業や指導を行う
(6) 慣れへの対策
定期的な作業内容の見直しと更新
慣れによる注意不足を防ぐためのリフレッシュ教育の実施
(7) 連絡不足への対策
定期的なミーティングや情報共有の場を設ける
連絡手段の多様化と整備
(8) マニュアル不備への対策
マニュアルの定期的な見直しと更新
作業手順の統一と徹底
(9) リスク放置への対策
危険予知活動(KYT)の徹底
問題発生時の迅速な対応と改善策の実施
これらの対策を講じることで、ヒューマンエラーの発生を防ぎ、より安全で効率的な業務運営が可能となります。
参考記事:
キーエンス社ものづくりの現場「なくならないミスの原因は?「エラープルーフ化」5つのポイント」
まとめ
失敗の原因は仕組みにあるという考え方は、多くの企業や専門家が支持しています。人に責任を押し付けるのではなく、仕組みやシステムを見直すことで、ミスを防ぐことができます。特にDXの進展に伴い、こうした考え方がますます重要になっています。私たちも日々の業務でこの視点を取り入れ、より良い仕組み作りを目指していきましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?少しでも皆様の気づきになれば幸いです。人間のミスを完全になくすことは難しいですが、仕組みを見直すことで、そのリスクを最小限に抑えることができます。これからも、システム化やDXの進展に注目し、業務の改善に役立てていきましょう。
ではまた、お会いしましょう。
【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。