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プレスリリースを書くより重要なPRの仕事
こんにちは、PR&マーケティングディレクターの石本です。
PR代理店から事業会社のイベントマネージャー兼PR兼マーケティング・オフィサーになってみて、PRという仕事を振り返ってみました。
広報・PRの仕事ってなんでしょうか。
一言で表すことがとても難しい時代になってきました。
狭義の意味でPRとは一般的に、最初はプレスリリースを書き、メディアリストを作り、配信して、掲載記事のクリッピングをするという一連の流れであると言われています。
もちろん、どれも大事なお仕事です。
しかし、よく考えてみると、プレスリリース書くだけで記事にしてもらえて露出が取れるという幸せな環境の場合です。
そもそも、プレスリリースとは
●伝えたいことを凝縮した「タイトル」
●それを端的に説明した「リード文」
●発表に至る社会的・企業側の「背景」
●戦略・戦術を含めた「発表概要」
で構成されます。
これは、企画提案書の構成そのものなのです。
これなくして、プレスリリースは書けない。
PRパーソンが考えるべきことは、芸術的なプレスリリースをつくるために、文字とにらめっこをすることでもなければ、メディアリストのアラ探しでもない。
その会社の哲学を乗せたコーポレートメッセージや、プロダクトがよりよい形で伝わるコンテンツを作って発信していくことだと思います。
仕事ができないPRパーソン
かつて、PR代理店時代の自分も、そんなことにも気づかず、「新情報はありませんか」と呪文のように唱えていたこともありました。
タイムマシンなんてものがあれば、当時の自分に生卵を10個くらい投げつけたいくらいです。
PRパーソンとして、私は仕事ができませんと連呼してるようなものです。
例えば、セミナーも一つのコンテンツです。
イベントであれば、セミナーにおける顧客層をしっかりと把握して、社内の登壇者に対して適切なオリエンをして、タイトル付けからプレゼンのディレクションまできっちり入り込んでやること。
「今日のお客さんは、熟練しているので、高めのボールを投げると逆に喜びます。」であったり、時には、「はじめまして、なので会社のブランドの話を厚めにしていただけると助かります」など、PRパーソンのさじ加減でイベントの集客からお客さんの反応まで大きく異なります。
こうしたところまでプロデュースしていくことが、重要になります。
今求められるPRパーソン
それだけでなく、広告領域においても、PRパーソンが入り込んでいくべき時代になってきています。
直近の私の例だと、出版PRに従事した際は以下のようなことが、印象的でした。
この時点では、メディアへのアプローチができていなかったのですが、再度チャレンジし、社長のテレビ出演を実現することができただけでなく、各種インタビューも実現することができて、記事化につながったのです。
中でも、少し工夫をしたのが、以下の新聞広告です。
書籍の広告で、社長の手書きメッセージを載せたものです。
媒体社との調整上、著書に絡んでいるように書いてもらわねばならなかったのですが、実は投資家の皆様に対して、誠実なメッセージを発信する場としての新聞広告という使い方をしていたのです。
手書き風のフォントでもないし、ベタベタの書籍広告でもない。
ただひたすらに、不透明な市場環境の中で、惑わされないでほしい、そういったメッセージを伝えることに注力した広告でした。
出版社にもこういった広告は前例がないのでだめだ、と反対されましたし、当初は本の宣伝は一切載せないというエッジの効いた案だったので、広告審査に落ちました。(笑)
そこまで、振り切った提案したせいか、過去にないアイディアでもこれくらいなら受け入れてもいいか、ということで、媒体側にも半ばあきらめていただき、今回の施策にこぎつける事ができたと思います。
そのおかげで、弊社のメールマガジンの登録者も増え、改訂版の著書にもかかわらず、初版の売上を超える実績を叩き出し、メディアへの露出強化にも貢献しました。
ほんの一部ですが、PRパーソンのやれることは、いわるゆる“広報”の活動に限定されるべきではなく、コンテンツづくりからデリバリーの手法までトータルでデザインすることだと思います。
その根本にあるのは、「熱狂」です。
その会社やプロダクトに熱狂し、コンテンツに熱狂し、それを伝播させるエバンジェリストとして、我々は存在しているのだ、というプライドを持って、仕事をするPRパーソンが増えてきています。
そんな、とても面白い時代に、PRパーソンとして働けてるのは幸せだなぁと思います。
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