パパ活ハラスメント/カラダで稼ぐのなんてカンタンなんでしょう?
「オンナはいいよな」
それがカレシの口癖だった。
疲れて返ってくるとそう口走り、愚痴りだす。
「エンコーやらパパ活やら呼び方はいろいろだけど、結局さ。若い女はそれだけでカンタンにカネを稼げるわけ」
ぐだぐだと愚痴り続ける。
稼ぐことがしんどいだの、オンナはラクだの。
昔はそうじゃなかった。
けど働き出して。いわゆるブラック企業に勤めだして、ダメになっていった。
薄給で酷使され、心が荒んでいったのかもしれない。
自分にお金がないことを正当化するためにか、お金を稼ぐことを忌避し、侮蔑しているようだった。
ようは慰めなのだろう。
それでもなんとか暮らしていた。
同棲しているから出ていくのも面倒くさいというのもあったろうし、少なからず情もあった、のだろう。
しかし、ある日突然、カレシは仕事をやめてきた。
「あんなところ、俺が働く価値はないよ」
「別にお前の稼ぎだけでもなんとかなるだろ?」
「足りなかったらほら、パパ活とかしてさ。さくっと稼げばいいじゃん」
「俺がオンナだったら絶対にやるね。馬鹿な男を騙して、カネだけもらってサクッと使い捨て(笑)」
「あーあ、俺もオンナに生まれたかったよ。そしてパパ活してーー」
「ーーじゃあ、パパ活してみる?」
「え?」
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「はい。じゃあ、これが鍵」
「いやー、いいのかい? こんな上玉?」
「もちろん。 ヤリたいっていっていたから。パパ活」
「はは、パパか。そりゃあいい」
そういって私は部屋の鍵を男に渡した。
部屋にはカレシが眠っている。クスリでぐっすりと。
一応目覚めた時のことを考えて、カンタンに手だけは縛ってある。
起きても抵抗はできないだろう。
カレはクズだが顔はそこそこいい。
そんな男を好きにできるというのだ。
金を出す男だっている。
そこそこの大金だって。
「ありがとう。手切れ金にもらっておくわね」
カンタンに稼いだお金だ。パーッと使ってしまおうか。