病(やまい)の後の祭り 治らない病気の正体
流行り病。
軽い風邪だ、などと誰がいったのだ。
運悪く、俺は世界的にパンデミックを引き起こしている感染症にかかってしまった。
急死に一生、というわけではない。
インフルエンザにかかった時だって、死ぬかと思ったものだ。
この感染症もそんなもんだと思っていた。
しかし、この病の恐ろしいところは、その後だった。
ーー気だるい。
慢性的な疲労感に、冴えない頭。
そして、それに伴い、脱毛までだ。
勘弁してほしい。
こんなことは聞いてなかった。ただの風邪じゃなかったのか。
くそ、これも全部、この感染症のせいだ。
全部、全部ーー感染症が悪いのだ。
そう思っているうちに俺はぶっ倒れた。
再び俺は病院に担ぎ込まれた。
意識が朦朧とする中で、親と医者の話ごえが聞こえてきた。
早くなおせーーーこの感染症をーー
「過労、ですね」
「え」
「検査をしたところ、おそらくそうかと思われます」
「やっぱり」
「最近はどう言うふうにすごされていたんですか?」
「心配していたんです。感染症が治ってからずっとメディアの取材とかを受けたり、なにかずっとネットとかをしてて、全然ねていなかったので」
「なるほど」
「心ない人からのバッシングを受けて、塞ぎ込んで、病んでしまったようで。それもきっと体調によくなかったのだと思います」
「心休まり暇がなかったのかもしれませんねーーともかくいまは」
医者はそういって、男を見た。
「静かに養生するのが1番ですよ」