しつけとは、「文化」を受け入れてもらうこと
5歳男児がパンツを履かない。
何度言っても、履かない。
パンツを履かずにテレビを見ている。
テレビは見てもいいけれど、
その前にパンツを履いてほしい。
そう言っても聞く耳を持たない。
きっと彼からすれば、
テレビを見ている最中なのに、
パンツを履けと支離滅裂なことを
言われる…と思っているのではないか。
文化が違う。
われわれ大人社会では
とりあえずパンツを履くことは必須。
だけど、息子にはまだこの習俗が
受け入れられていないようだ。
文化が違うから、話が通じない。
パンツを履くことを最重要事項と
考えているわたしの文化と、
パンツなんぞ履かなくても
自由に生きられることを
体現するスタイルの息子の文化と。
文化に優劣はない。
まして善悪など存在しない。
パンツを履かない文化も素晴らしい。
だけど、ここは現代日本。
パンツを履く文化が主流だ。
どうにかそれを理解してほしい。
どちらかが強行手段に出れば、
これはもう開戦必至だ。
価値観の違いによって起こる争いは、
避けられるべき不幸だ。
できれば、平和に解決したい。
脅しや暴力で、
文化を強制したくない。
ただひとつ幸運なことは、
息子がパンツを履く文化を
拒絶していないことだ。
理解もしていないが、
それに迎合することについて
強く反発しているわけではない。
何度でも対話しよう。
パンツを履くことの
機能性や合理性について、
根気よく解説しよう。
息子がパンツを履く文化を
受け入れてくれるまで。
パンツ履いてパンツ履いてパンツ履いて。
しつこいと思われてもいい。
うるさいと言われてもいい。
パンツ履いてくれるなら何でもいい。
パンツ履いてパンツ履いてパンツ履いて。
息子がパンツを履いてくれるまで、
何度だって言う。この声が枯れても。
だからどうかお願いします、
パンツを履いてください。
パンツを履く文化を会得してください。
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