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残業の善悪

仕事が終わらない。
残業しないと終わらないし、残業しても終わらない。どこかの広告代理店はその昔、残業ありきで仕事をこなし、年収が2000万はくだらなかったそうな。
そんな話、中小企業の小の方みたいなウチの会社には当てはまらないし、そもそも残業代は、ある時間数分を給与として先に支払っている設定なので、どちらかというと残業なんてしないほうが得になる。
 しかし、それでも仕事は終わらない。
なぜ。
終わらない理由を考えてみた。


自分の仕事をこなしていない。


我が社は、少数精鋭と言えば聞こえは良いが営業をして、保安(期限管理の交換物)をして事務処理もし、営業で取った成約の工事もする。オールマイティに全部やる。という会社だ。
もちろん工事の内容によっては自社の工務が手伝ってくれたり、外注したりもする。しかし、基本的には自分たちでやる。そんな感じになっている。
 私は小さな営業所の所長だが、このところ工事に追われている。部下の仕事の遅れは手伝うし、事務処理も協力する。そうしていると、自分の仕事が手につかない。
 社長は、残業を申請してもダメだとは言わない。先払いしている時間分なら、やっても支払いが発生しないからだと、思ったりもしたけれど、ついこの間、「残業しすぎ」と言われた。言い方がフランクだったので、冗談、または頑張ってるね!の裏返し的な声かけかとも思ったが、なぜか心に引っ掛かりを感じ、考え直して見ることにした。社長は何を言いたいのか。
 その少し前、工事現場で部下と工事中、部下が次の工事の案件について私に話していた。たまたま社長もそこにいて、こちらの話を聞いた上でこう言った。
「外注にまかせちゃいなよ」
その時は、少しムッとして話を聞いていた。何故なら私は、工事は好きな方で、工事をお願いされることイコール部下からの信頼というような感覚を抱いていた。一定のプライドが、そこにはあった。
しかし、その後の「残業しすぎ」発言を受けて思うところは、恐らく社長はこう言いたいのではなかろうか。
『残業するのは構わない。本当に必要な残業なら。いましている仕事は、本当にあなたがしないといけない仕事でしょうか。』と。
 私に任せれている役割は【責任者】【管理職】だから、俯瞰で見た場合、営業所の円滑な運営が、私の仕事。と言える。部下の行動管理、期限管理、在庫の管理、予算の達成に向け実績の把握、進捗の確認などなど。
部下の現場の手伝いは、その中の一つ。
工事に1日費やして「仕事が終わりません、残業させて下さい」は、たまにならいいけど、工事続きって実際どうなの?と、言いたいのではなかろうか。

そう、思い立ったのには理由がある。

やり手の社長


うちの社長は忙しくしながら毎月大きな売上をあげてくるのだ。しかし、自分で工事をするような事はない。外注だ。そもそも規模が違うんだと、違う世界の物事だと思っていた。
 それが大きな間違いなんじゃないかと思えてきた。工事の大小に関わらず、外注したらどうだろう。
 外注すると、利益を食われると思ってしまう。しかしどうだろう。外注することで、私の時間が確保される。なんと、部下の時間も確保される可能性も大きい。現場の前中後で顔を出して打合せすれば、他は別な仕事ができる。考え方によっては利益も最大化できそうだ。残業が減るから、経費も抑えられるのではないだろうか。
すげえな、社長。

目先の欲に溺れてはダメだ。
はっきり言ってくれればいいのに、ハッキリ言わない社長の背中を今日も追う。

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