1番良い恋愛とは。
『学生時代の恋人とそのまま結婚』
これが1番の理想だと思う。周りに聞いてもそう答える人は多い。
なぜなら、学生時代の恋人は、まだ何者でもない自分を好きになってくれた人だから。
もっと理論的に考えると、社会人には出会いがないから。機会を逃してしまうから。
彼女もその考えのうちの1人だった。
学生時代、3年間付き合っていた恋人がいた。このまま結婚するんだろうなぁと漠然と思っていた。
でもそうはいかなかった。
就職して会えない時間が多くなり、すれ違いが大きな亀裂となり別れてしまった。
社会人1年目、たしか初夏の出来事。
また復縁しそうな雰囲気も残しながら別れ話をした。
だけど、すぐに相手に新しい相手が出来て別れたと聞いて、彼女はもう復縁はないかな、と思った。
学生時代の恋愛の良いところ。
冒頭に述べたことにプラスして、
相手の恋愛の記憶が自分だけであること。
つまり、比較対象がいないこと。
もちろん、学生時代だけでも数多く恋愛してきた人もいると思う。
彼女と相手の恋愛は、いろんな『初めて』をたくさん共有していた。自分が自分でなくなる感覚、スキンシップの心地良さ。恋をすると誰しもが陥るあの感覚を一緒に味わっていた。
「また来年も来ようね」
毎年、年末に海に来て、砂浜に時を刻んで、写真を撮る。そういう2人だけの行事みたいな約束も、経験していた。
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数年後、彼女はその人を超える相手と出会った。
一度、一通りの恋愛をしてきたのに、なぜか経験した事ない感情にもなり、恋愛は奥深い。
今の相手が1番好きだからこそ、過去が切なくなる。
定説のようにささやかれる「学生時代の恋人と結婚した方がいい」は、肩書きで恋しないからだと思っていた。リスクがあるからだと思っていた。
でもそれだけじゃなくて、たとえその後もっと好きな人と出会えても、恋愛経験の少なさには勝てない。
どんどん切なくなる。
ただし、それは相手と共有すべきことではない。なぜならきっと相手が不快に思うから。
だからこそ余計思う。
『学生時代の恋人とそのまま結婚』が1番理想だと。
すべてを共有できる恋愛は一度だけ。
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