秋風に稲穂の葉擦れ乾きゆく
そうだねと頷き頷く稲穂かな
おっとりと続く稲穂の口伝え
▶▶YouTube
一面の稲穂が頭を垂れ、
田んぼは秋の陽射しを湛えている。
重く物憂げな穂とは対照的に、
葉は軽やかに乾き、
風に合わせて秋をささやいている。
その稲穂の頷きの連なりは、
私をおおらかに慰めるようであり、
いつまでもそこで、
その頷きに揺られていたくなる。
そのおっとりと続くささやきは、
重なり合ってあたりを満たし、
満たしてはやがて引いていく。
私はひとり、残される。
秋は慈愛に満ち、そして同時に残酷だ。
▶▶YouTube