初夏の焼き菓子を贈った話
5月は自粛の月だった。
ゴールデンウィークの予定は真っ白、その後の土日も真っ白、さらに平日もテレワークにより時間が余る余る。
一人遊びがはかどる。
もともと土日両方家で過ごしても全く罪悪感のない人間なので、「え?言われなくても家から一歩も出ませんけど?」という状態だった。結果、2020年5月はアホみたいなバター消費量を記録した。エネルギー換算するとなんと4800kcalである。(もちろん一人で食べたわけではなく分散している)
ちなみに5月は、初めてニュージーランド産のバターを使った。いつもは雪印の無塩バターを使っているんだけど、バター不足のスーパーにはいつもと違うメーカーのものが並んでいた。パッケージがかわいい。
カロリーを分散するべく、お菓子を配らねばならない。本能的にそう感じていた。
そんな時、ひょんなことからカメラマンの先輩にお菓子を贈ることになった。
一度自分の作ったお菓子を撮ってもらいたいって気持ちがあったのと、長年お世話になってる人だったので、ちゃんとしたものを作りたいなと思った。なんせ時間はたっぷりある。
そしてなんとなく、ただの詰め合わせじゃなくて、季節のものを入れたいな、そうだ、初夏を焼き菓子にしよう!という考えに至った。
素敵に撮ってもらった写真とともに、書き連ねていこうと思う。
1.ヴィエノワ・サブレ
菓子工房ルスルスさんのレシピを私にしては本当に珍しく、1g単位で測って作った。冷やしながら作業し、寝かせずに焼く生地なので、ぱっと作りたいときにはいいなと思う。今回は夏を感じられるようブルーベリージャムとピスタチオを砕いたものを上に飾り付けてみた。ペンギンが乱入しているのは遊び心である。
2.新茶のブレッド
なんとなく5月ってお茶のイメージがある。(ネーミングだけでも季節って感じられる気がしません?)生地は抹茶強め、甘さ控えめにした。保存がきくようしっかり焼きたいところだけど、香りが残るギリギリのところで寸止めするのが難しかった。焼きたては香りが良かったけど、贈って開けた時にも香りが楽しめるといいなと思った。
3.こんがり夏毛のうさぎ
これは一番よく作るプレーンクッキー。バター、砂糖、卵黄、アーモンドプードル、薄力粉で作る基本的な型抜きクッキー。全卵を使った生地も好きだけど、卵黄だけの生地のほろっとした食感が好きだ。こちらは夏毛っぽさが欲しかったのでいつもよりこんがり焼いた。
4.夏の星座レモン風味
うさぎと同じプレーンの生地に、これまたルスルスさんのレシピのレモンアイシングをかけたもの。さらっとかけるのもいいけど、たっぷりかけた方が私は好き。このアイシングをかけると食べた瞬間にレモン!って分かるくらいレモンレモンする。
引くほどたくさん焼いた
これは氷山の一角である。
ちなみにヴィエノワのレシピはこちら。見るだけでもうっとりしちゃう、私の一推し、つまるところ推薦図書です。レモンアイシングのクッキーも載ってるので気になった方はぜひ読んでみて欲しい。
5.オレンジピールのマフィン/ブルーベリージャムのマフィン
シンプルなオイルマフィンのレシピに、オレンジの方は牛乳の代わりにオレンジジュースを使った。焼き立てを割るとオレンジの香りがして心地よかった。ブルーベリーは焼く前にぽとっと生地にジャムを落とす。欲張って落としすぎると膨らみが悪くなるのでそこそこにしとくがポイント。
マフィンは欲張りに焼くのが楽しい
マフィンのレシピはこちらを参考に。トッピングは常に家にある何か。ちなみにこの本のレシピはバターがなくても作れるのでお手軽に焼けてオススメ。
ラッピングはシンプルに、涼しげな青のリボンをかけた。リボンとぴったりな便せんがあったので、メッセージカード風にして添えてみた。
開ける瞬間のワクワクした感じが伝わってくる。
ひとつひとつの写真が、なんだかとても大切に撮られていて嬉しくなるね。白くて柔らかそうなふわふわした布のせいか、天国のおやつみたい。
ちなみに私のズボラなラッピングのせいで、本当は乾燥剤は丸見えだし瓶詰めされたペンギンがひっくり返っているし…という状況だったにも関わらず、ひとつひとつ手直しをしていただいたことをここにお礼申し上げておきたい。ありがとうございました。
季節の旬のものを使ったお菓子を作るのが好きだ。フレッシュな艶々したフルーツをたっぷり使ったタルトやケーキは見てるだけでも幸せになる。
でも、焼き菓子なら日持ちもするし人へも贈りやすい。旬の美味しさを色んな形で味わって過ごしていきたいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?