きっとラッキーだよね⑧
早く家に帰って横になりたいとだけ思っていたのだが、嘔吐してもなお痛みは治まらないので診察を受けることにした。
ゆっくりと自力で歩いて上の階に上がった。
実は大学病院の薬剤部で仕事をしているのでこういう時は助かる。
付き添ってくれた薬剤師が受付に事情を説明してくれ、内科外来受付担当の看護師の所まで同行してくれた。
診察券も保険証もロッカーの中だが、そこは制服姿の職員なので、担当看護師は電子カルテから情報を引き出し問診を始めた。
自分で問診票を記入した辺りから猛烈に寒くなってきた。
まぁ制服は半袖なので当然かもしれない。
ブランケットを貸してもらい、車椅子で内科へ連れて行ってもらった。
大学病院はいつでも患者で溢れている。
予約なしなので、手が空いた時に診察をしてくれるため待ち時間はわからない。
1つだけ簡易ベッドが空いていると言われ使わせてもらった。
その判断は正しかった。
痛みはさらに増し寒いので布団に包まれていたのも助かった。
血液検査、検便を行いCTを撮る事になった。
あまりに顔色が悪いとストレッチャーに移る。
CT室に運ばれる途中で看護師が気付いた。
もしかして家族は普通に仕事していると思っているよね?と。
つづく