日の暮れた帰り道で
仕事終わりの時間はいつも同じ。
だから日の長さの変化をはっきりと感じる。
職場を出るときはまだ明るさがあるけれど、自宅の最寄駅に降りるともう真っ暗。
そのうちに、仕事を終えてロッカーまでの渡り廊下を歩くときも、すっかり夜になってしまうのだ。
そんな暗くなった道を自宅へ歩いているとふわりと甘い香り。
金木犀?
いつもより柔らかいけど、確かに金木犀の香りだよね?
例年は、暗くなっていてもたくさんの花が咲いているのが見えるのに、今年はよく見ないとわからない。
圧倒的に花の数が少ないのだ。
だから香りも強くない。
ふんわりと柔らかく優しい感じ。
家の中に居ても香って来るいつもの勢いはないけど、こんなのもいいかな。
やっと訪れた秋の香り。
花の香りは暗くなった方が強い。
日暮れが早いのは寂しいけど、帰り道がちょっぴり楽しくなる。