記憶の揺らぎ:その2
コロナ感染がやや収まりつつあるようなこの頃、新聞の広告欄を見るともなく見ていると、フジコ・ヘミングのコンサートが出ている。久しく隠遁生活を送っていたが、そろそろコンサートにも行ってみたいなあ、フジコ・ヘミングも一回くらい聴きに行きたいものだ、と思った。それが午前中。
午後、書斎の整理をしていると、これまでに行ったコンサートのプログラムの一群が出てきた。ぬ? これは? フジコ・ヘミング? コンサートのパンフレットのようだが、人物紹介が主で、何月何日の詳細なプログラムというようなものは入っていない。ツアーの大雑把な予定だけ。と、中にアンケート用紙が挟んである。なんと書き込んである。
「*本日の演奏会に来られた動機はなんですか? ーフジ子・ヘミング氏のCD・本類を愛蔵の上、個人的に毎年誕生日にはコンサートに行く習慣で、時期的に丁度良かった。 *本日の演奏会の感想をお聞かせください。 ーピアノは協奏曲よりアンコールの方が良かった。 *フジ子・ヘミングの他に好きな演奏家などをお書きください。 ージャック・ルーシェ、ハンガリーのピアニスト:サ・チ、 舘野泉」
私はコンサートに行っていたのか? アンケートの紙があるということは。 この紙は出さないで帰ったということらしい?
信じられない。2001年の誕生日近辺の日記を見てみた。ありました。
「フジコ・ヘミング&チェコ・フィル(モルダウ・新世界) フェスティバルホール 当日券で前の方(前から9番目)チャイコフスキー・ピアノコンチェルト→途中?のところあり。アンコール;ショパン・ワルツOp.64-2, ゴリゴーグのケークウォーク、ラ・カンパネラ。」
年寄りは最近のことは忘れるが昔のことは覚えているはずなのに〜。