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閑話休題:怪しい書斎
私は数年前書斎で鼻を骨折した。棚の上にミディ・タイム・ピース というものを置いてパソコンとつなげていたが、コードを無 理に引っ張ってい たら落ちてきたのである 。鼻がゆがんで固まっ た らいけないのですぐ耳鼻科に行った。どんなものを鼻に入れて 直してもらったかというと、しゃもじのようなもので、見たときは ぎょっとした。直したあと「どうですか、こんなものですか」と先生 は私に鏡を見させて言わ れたが、我ながらよくわからなかった。 とにかくボクサーのような顔で帰ってきた。 その骨折の前だったか後だったかその部屋に掛けていた樹脂でで きた能面が落ちていたことがあった。なにかの振動で落ちたと思 うが、顎のところで割れてしまった。それをくっつけて別の部屋に 掛けていたところ、今度はその部屋で足の甲を骨折してしまった。 猫を抱いたまま変に体をねじって起きあがったら、日曜大工用の 材木につまづいたのであ った。それでかなり 長い間杖をついて歩い ていた。 しかしその数年前にまな板が落ちてきて足の指を骨折したという のもあった。いやに痛いと思いながら放っていたら骨折だった。 こうしてみる と、骨折と能面と書斎の関係というのはそれほどないのだが、つい最近、ヤマハのキーボードの楽譜立ての上端がか なり欠けている。電球が笠ごと落ちて来たならそんな欠けかたも するだろうが、そんなことはなかったし。そう でなくともなんとな く夜遅くなると書斎にい るのがコワイ。書斎に音楽関係のものが 全て置いてあるので、いろんなことが滞っていた。その話を以前「エミリィ・ディキンスンを歌う」で練習に来たYoshiko Nitta Jermerさんにその部屋 で話していたが、彼女のドイツの留学仲間には、ベッド に寝ていると体が浮くので困っている人がいたという。部屋 がどうであれ、やることはやらないとね。本の整理!