現場実録 職人直営店の考え方
どうも 正直工務店です。
現場経験 23年を超える42歳、大工職人です。
僕は、家業で親が大工をしていた訳ではありません。
自分にはこれしか無い!と思い、この業界に飛び込みました。
しかし、
この業界は勢いだけでご飯が食べれるほど甘くはありません!
厳しいこの世界で生きていく術をこのnoteに書き記します。
そして僕が思う事は
大工職人はもっと幸せになるべきだ!と本心で思います。
幸せの定義
①社会人として仕事を請負
②その責務を全うし、報酬で家族を養う
③問題提起と解決案を提案し、感謝を共有する。
長年の経験から導いた答えはこの3点です
職人直営店としての生き残り戦略を紐解きますね。
まずは市場の総数を確認してみましょう。
大工職人としての人口推移
昨今、大工職人減少、労働生産性低下、次世代の育成からの観点から見ても
一般住宅においての大工さんの重要性は年々増していくばかりです。
聞いたことありませんか?
職人さんが居ませんので現場着工できません!
事実、
1980年に 93万7千人 もの大工職人が活躍していますが
40年後は 29万8千人 に減少しています。
数字をみると40年で63万9千人減少し
1年で約1万6千人減少しています
2020年現在、29万人 ですので、毎年減少していくと、、、
約18年で大工職人の職業は消えますって事になります
来る2038年には、大工という職業は消滅しているかもしてませんね
そんなバカな!家は誰が建てるんだ。大工が居ないと家も建たないじゃないか!
と思う方もいるかもしれませんね。
ところが周知の事実において日本の少子化はもう止まらないですし
その事実に紐付き、空き家問題も表面化していますね
新築住宅事情は人口減少に応じ少しずつ市場規模は減少していくと思います。
光があれば影もあると言いますが、視点を変えると、
大工職人としてはチャンスとも考えられます。
それはなぜでしょうか?
職人直営はブルーオーシャン?
結論から言うと、人材不足です。ですので職人は希少価値が上がります。
ビジネスの観点から見てもそうなります。なぜかと言いますと
ダイヤ、金は高く、水などは安いですよね、
単純に数が少ないので、希少価値が高いのです。
プラスアルファ
少子高齢化も進んでいます。
事実、建築現場における若者の大工の担い手は全国で数千人です。
大工職人として育成期間に時間が必要ですから、
退職人口を止めない限りどんどん減少していくのです。
長い目で見れば、人口やGDP世界順位も減少していますから
別の職にスポットを当てたとしても、日本全体として衰退していくのは間違いないと思います。
衰退する業界は機械化が進む
人口減少、高齢化が進むと、人間に投資するよりも、機械に投資をします。
機械化が進むってやつです。
昔を、思い出してみてください、
人の進化よりも科学の進歩のスピードが早いと感じませんか?
昔よりも、あらゆることが簡単で、しかもクオリティー高く価値を受け取れますよね。
今、読んでいる皆さんも、必ず思い当たる節があると思います。
科学の進歩や機械化が進むと必ず価格が安くなります
そして職を失う人も出てきます。
職を失うので怖い!と恨み節を耳にする事もありますが、
デメリットより、メリットが強大なのです。
この地球に生まれた限り、この事実からは逃れられません。
歴史を紐解いても、何度も起こる事実です。
嫌だと叫ぶのは自由ですがそのような人は
事故が怖くて車に乗車しない!と言ってると同じです。
けれども恐れる必要は全くありません。
なぜなら、大工職人ですから。
歴史を紐解くと、
現在必要価値が低い商品が低く、消えてしまったサービスは数えきれません。
ポケベル、家電話、ウォークマンなどなど、、
まだ生産されているのかもしれませんが、、ほぼ購入、使用しないですよね。
逆に、進歩の流れに乗ってしまえば良いのです。
YouTuberヒカルも昔言ってましたが、時流に乗る事が大切なんです。
僕が、今後消えていくと予想するサービスは、ホワイトカラーの単純作業者です。
人から機械(AI)へと変化していくと思います。
しかも恐ろしく早いスピードでです。
人から機械へシフトされると、
事務員やホワイトカラーが人から機械(AI)に変化します。
すると、事務的な仕事を人が作業する価値が下がります。
ってことは?
カンの良い人ならすぐに気づきます。
逆説的に人員不足、若手が育ってない業界。
すなわち肉体労働者と言われるブルーカラーの価値が上がるのです。
以上の観点から、肉体労働で思考レベルが高く技術が必要な 大工 という職業は今後ブルーオーシャン確定なんです。
ちなみに、ホリエモンも同じ内容を言ってます。
しかし、単純な肉体労働の価値は高くはありません。
マックジョブと言われる、万人受けの管理された労働者力には高い価値はありません。
単純労働者と職人の違いは?
人材=誰でもいい訳ではありません。作業員ではなく、職人として各現場を収める技量が必要です。
作業員と職人の定義は明確です。
①作業員
1つ1つの作業に指示が必要なのが作業員です。
作業員には1つのギアしかない、1ギアが回転してしまうと、他の思考は生まれません。
②職人
誰もが最初は作業員です、しかし、日々の作業に疑問を抱き、1つ1つの行動を連結させ、生産性と美しさの両面から最適化し問題解決策を言語化し行動できる人が職人です。
その業界に入れば、誰もが初心者であり、価値を生み出すまでに、時間や経験が必要だ!って事は誰でも理解しますよね。
見た目で判断できないので
『僕、大工です』と言われたら、①か②か判断できませんよね。
属人性の高い職人という職業です。
支払う側からすると、損したくない気持ちから安い方の①に支払うでしょう。
しかし、安かろう悪かろうです。
①の作業員はギアが1つしか搭載されておらず、ボロや損失が後になって可視化されます
多少費用は増えますが、ギヤ数の多い②の職人に支払うべきだと考えています。
②の視座が高く、総コストも安い、大工職人に仕事を依頼するべきなんです。
①と②のどちらに仕事を頼みたいかは明白です。
誰にお金を支払いますか?
ここで、意識して欲しい事は、、価格じゃなくて価値です。
職人仕事の大部分は、、人件費です。
結局は人件費である。と言うことです。
そして、残念ながら、①作業員と②職人の給料(売上)の差があまりないのが大工が育たない理由の1つであります。
現実に、大工の日当(1人工)は20年前とほぼ横ばいであり、昔に比べ税金、生活に必要なコストを考慮すると手取りは下がっています。
日当は 1人工とも言われ、簡単に言うと
1日働いて〇万円です。要は、日雇い労働者と同じです。
昨今の 職人単価は 2万円 辺りが妥当な金額です。
されど人件費です。
職人が 2万円
作業員 は 1万3000円〜5000円
警備員で 1万円
こちらの金額が 20年前から変化していないのです。
職人は 作業員が5日かかる仕事を 3日で終わらせます。
どちらのコストが安いかは計算してみてくださいね。
職人で5日かける人も居ます。コレも現場の事実です。
どちらが良いか?の答えは 支払った側の心の中にあります。
なぜ価格が上がらないのか?
結論から言いますと、価格を上げる努力をしていないからです。
あなたが会社員大工でない限り、職人は事業者(個人事業主)となります。
事業主の責務は 社会に価値を提供すること。
職人の責務は 問題提起と解決の最善策を探すこと。
この2軸を回し続ける事で価値の持続と進化をしているのです。
いやいや。努力してますよ。
毎日、がむしゃらに仕事しているんだ!!
何を否定しているんだ!
と怒られるかもしれませんが、これが、僕の経験上、大工職人直営店としての答えです。人生100年時代、終身雇用崩壊、税金の上昇、生活コストの上昇、、
あげればキリがありません。
しかし、時代の流れは知らぬ間に進み続け、『ほら!進んだよー!』
と優しくあなたに教えてくれません。
時流に乗ることで少しでも
大工職人とその周りの家族が幸せに生きれるように発信していきます。
1年前の100万円は、現在いくらですか?
1年前の米国株は現在いくらですか?
1年前のビットコインは現在いくらですか?
1年前と、、、、現在のあなたの価値はどうでしょうか?
答えはあなたの中にしかありません。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?