AI時代に写真がいきのこるには
以前にAIにできない写真表現が出来れば・・・という事を書きました。それで、今AI画像では難しい写真ならではの表現はないか試行錯誤しています。
対決!600万画素の男VS画像生成AI
ひとつはカメラとレンズを使った場合の現れる特性を敢えて強調する。そこまでいかなくても敢えて残す。というのは一つの手ではないかなと思っています。現在の最新デジカメはレンズの収差や歪曲を自動的に修正し、レンズフレアやゴーストなども出にくい設計になっていますが、これを敢えて現れるようにしてみようという訳です。
一番勝負:車の写真
とりあえず自分の撮った車の写真でAI画像と勝負してみましょう。まず先手600万画素の男。
リヤガラスの反射で印象的に、軽く流し撮りで躍動感を表現。
とまあざっとこんなものですかね。
次は後手BingImageCreater
何と、AI画像の弱点が早くも判明!!「車の画像を作って」と依頼すると買い物カートの画像が出てくる!!不思議!!
いやいやボケてる場合じゃないだろBing!
って色々やって「レンズフレアを入れた青い車の画像を作って」と依頼したらそれらしくなりました。
上の3つの画像。いずれもみんなのフォトギャラリーに登録する予定ですけど、皆さんなら車の画像が欲しい時どれを使いますか?
自分は、やっぱりちゃんとキマってしまえばAI画像には敵わないかなぁと思っています。かつて写真が登場した時の画家たちはこんな気持ちだったんですかね。
二番勝負:花の写真
別の画像でも勝負してみましょう。花の写真でボケを取り入れた写真で行きます。では先手600万画素の男
花の写真を撮るときって、こういう後ろ半分を溶かし込むような撮り方が好きなんでよくやってます。さあAIよ。お前ならどうする?
・・・こりゃ恐れ入りました。かないませんわ。
ただ、ここまでいろいろAIに画像を作ってもらって、どれもあまりにもキレイすぎて現実味には欠けるのかなとは思います。もっとも創作活動においてキレイすぎて困るなんてことはないだろうけど、試しにリアルな花の画像をリクエストしてみると・・・
リアルに、と指定してもまだキレイすぎる画像になるような。
もしかして、キレイじゃないほうが映える被写体だったら勝ち目が出てくるかも。例えば・・・戦車だったら。
三番勝負:戦車の写真
唐突な戦車対決。いやもう正攻法なキレイな写真だと勝負にならんと思ったのと、実はたまたま過去に撮った戦車の写真が目に付いただけだったりして。
日本にいると戦車を撮るってチャンスはまずないんで、今までで一番平凡な撮り方になってしまいましたが、はたしてAIはどう出ますか。
ん?これは実在の戦車とは違いますね。なんかゲームのスクショみたい。
考えてみたら最初の車の画像もゲームっぽかった。
なんでも今の画像生成AIは「写真」と見間違えないようにするため、あえて写真に見えないように画像を生成するように調教されているらしいのですね。ある意味人間はハンデをもらってるような気がしますが、ハンデだろうが何だろうが、ここを突破口にする手はありではないでしょうか。
ちなみに「74式戦車の画像を作って」とそのものズバリのリクエストをすると・・・
・・・うむ。確かに砲塔に「74」と書いてあるな。
確かに74式だってちげーよ!!!
AIの弱点に付け込めれば勝機はある?しかしAIもまた・・・
そういえばちょっと思い出ししたのですが、「2001年宇宙の旅」で探査船ディスカバリー号を制御するコンピュータHAL-9000が人間に対して嘘をついて敵対(としか思えない)行動をとったネタバラしが続編の「2010」で明かされます。(もう古典SFと言っていいと思いますからネタバレご了承のほどを)
ディスカバリー号の真の探査目標は月面に現れたモノリスを呼び寄せるかのように信号を送っている木星のモノリスの調査でした。
しかし、この真の調査目標を知っているのは人工冬眠で眠らされた状態で乗船した科学者とHAL-9000のみ。船を動かすボーマン船長とプール副長には極秘とされ、HAL-9000も二人には真の目標を知らせないように「嘘をつけ」と命令されました。
結果、HAL-9000は故障などしていない通信アンテナが故障していると「嘘をつき」、HALに不信感を抱いたボーマンとプールはHALをシャットダウンして自分たちだけで任務を続行しようとしたため、真の目的達成の妨げになると判断したHALは二人の排除を図ろうとする・・・というのが「2001年」の物語でした。
自分の生成した画像が写真に見えないように「嘘をつけ」と命令されているAIはもしかしたらHAL-9000と同じようなジレンマを抱えているのでしょうか。
そのうち、人間の撮る写真は我々AIの作り上げる真に美しい画像の生成の妨げになる。と判断したら・・・