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幸せの意味とは。夢を追う意味とは。「余命一年の君が僕に残してくれたもの」「余命半年の君に僕かできること」

日野祐希先生初のシリーズ作品「余命一年の君が僕に残してくれたもの」と「余命半年の君に僕かできること」。
こちらの作品を手に取ったのは大好きなイラストレーターのひとり、はねことさんの表紙イラストを見つけたのがきっかけでした。
私は小説も結構ジャケ買いをするのですが、好きなイラストレーターさんが描かれた作品はすべてお気に入り作品になってます。
しかし好きなイラストレーターさん何人もいるので、出費が・・・w

話が脱線しました。
ちなみにこちらの作品、ライトノベルに分類されて紹介されることがおおいですが、イラストは表示のみで口絵・挿絵はありません。
どちらかというとライト文芸の方がしっくりくるような気はします。
でもとても読みやすい文章ですし、ボリュームもちょうど良いので、この2冊は是非併せて読んでいただきたい作品です。


「余命一年の君が僕に残してくれたもの」
余命宣告を受けたヒロインが悔いを残さないために恋人と残された時間を過ごす物語…かと思って読んでたら最後にひっくり返された。辛い別れは避けられなかったけど、彼女が本当にやりたかったことは彼のために時間を使うことだったなんて。

最初はとても卑屈な主人公の瑞樹は母の死をきっかけに自ら幸せを遠ざけて行き、希望を見失います。
そんなある日に転校生としてやってきた美咲と出会います。
二人の距離は図書委員の仕事を通して縮まって行きます。
最初は前向きでポジティブな美咲と人見知りでネガティブな瑞稀との凸凹具合が少し笑えました。

しかしある日、突然、美咲の余命が残りわずかであることを告げられ、美咲が死ぬまでにやりたいことに付き合ってほしいと言われます。
つらい物語ではあったけど、美咲のために行動を起こす瑞稀の姿に感銘を受けたし、恋をする事で成長していく姿も良かった。
出会いと別れの切ない物語ではありますが、先立つ人たちが残してくれたものって何だろう?と想い考え涙しつつ感動した作品でした。

「余命半年の君に僕かできること」
そして前作の「余命一年の君が僕に残してくれたもの」と同じ世界、時間軸で展開する物語で、主人公とヒロインは前作から変わりますが、同じ世界と時間軸で進むので、今作の中で前作の2人にも一瞬出会えます。

シリーズ作品と言うことで前作同様タイムリープものです。
主人公の友翔は絵本作家になることを夢を諦め、変わり映えのない高校生活を過ごしていましたが、そんな時にヒロインの転校生・七海がやってきます。

七海は絵本作家である友翔の祖父の大ファンで、自分でもいつか絵本を書きたいと考えていました。
そんな中、友翔自身も絵本作家を目指していたことを知った七海は、友翔を絵本作りに誘います。
友翔は最初乗り気ではなかったものの、必死に夢を追い続ける七海に惹かれて行きます。しかしそこで七海の余命があと半年であると知り、一緒に夢を追う決意をします。

元々は同じ夢を持っていた二人。
しかし夢を追う七海に対し、夢を諦めた友翔。
正反対の二人が夢を諦めないと決意し、そして恋をする。
読んでいて本当に切なくなる物語でした。
シリーズ3作目にも期待してます。

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