「まもなく日が暮れます」
アナウンスが聞こえると、徐々にドームの中が暗くなり、代わりに星たちが一斉に輝きだした。
なぜだろう。堰を切ったように両目尻から塩水が溢れ、後頭部の首の付け根まで流れていく。
理由はわからない。
ここにくると、毎回そうなのだ。
無数の星が浮かぶ宇宙を見ているうちに、
ふと、外国で故郷の話を聞くような、とても懐かしい気持ちになるのだ…。
<誰にも、どこかに「いつか自分はここに来ることになっていた」と心から思える場所がひとつある>(天涯 沢木耕太郎)
もしかしたら私の求めるその場所は、地球ではない、あの星のどこかにあるのかも知れない…
#旅する日本語
#寸景