どんどん分厚くなる理由〜熊本サンドウィッチTATOMIYA〜
誰がサンドウィッチをこんなに分厚くしていったのか。
高く積み上げられたレタスをぎゅうぎゅうに押し込めたそれは、ちょっと齧ろうものなら、まるでジェンガのように崩れて原型などもはやない。
秘めていた肉汁、トマト汁を撒き散らし、
なのに添えられたウエットティッシュが1枚だけなんて、この店はサンドウィッチを舐めている。
なんていいながらかぶりついたサンドウィッチは、
あぁ、あっけなく崩壊
だけどその崩壊の瞬間、レタスのシャキッという音の、なんと素晴らしいことか。
もしやこのためだけに、サンドウィッチはこんなに分厚くなっていったのかもしれぬ。
そうだとしたら、レタスの、シャキッのために、汁を秘め、紙を盛大に使い、手が汚れること必須のこの食べ物は、まさに現代アート。この音のためだけに建てられた、ジェンガの城なのだ。
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