
自分はダメだなぁと結局思う話(三島屋もの・宮部みゆき)
読書ですか?そうそう、読んでますよ最近。
難しいのじゃなくて、楽しく読めるものからリハビリ的に。
前に途中まで読んでた、宮部みゆきの三島屋百物語のシリーズ、続きの5から8の巻まで読みました。面白くって!寝る間も惜しんでですね。通勤に持っていくには重いので、単行本のほうだから、早く帰って続き続きってね。
そうですね、単行本の方が好きかなぁ。文庫は字が小さいのと、たぶん装丁が違うのも違うんだと思う。今回の挿絵、いちいちよかったんですよね。版画っぽいのもだし、こないだ別で読んだ三好愛さんの絵もぴったりで。
怪異もの好きなんですよ。みんな面白かった。
で、だいたいいい話なんですよ。なんかむかーしむかしに浅田次郎読んだときにね、笑わせて泣かせてほんといい話だな!って、面白いんですけどね、うますぎて。うますぎが鼻について、泣かせようとしやがって的なですね、なんか嫌になって読まなくなったことがあって。宮部みゆきもうまいじゃないですか。でも、何が違うんですかね。
だいたいね、出てくるのがいい人ばっかなんですよ。あの時代の、分を弁えてるっていうのかな。あー、身分差やオンナコドモが所有物的に描かれてたり、男が庇護するべき者って感じはあって、そこは目を瞑ってね。弁えて地道にしっかり働く人たちが尊敬されてる、みたいな。そうそう、子どものために後添いあてがうそういうところはあるけど、ま、時代だからスルーできるし、やっぱり本人たちの人格者的な良さがね。
まず、主人公が聡いでしょ。賢いとかなんとかじゃなくて、聡いんですよ。微妙に違うのね。躾もされてて行儀もよく、人への当たりが思慮深い。あるいは、とにかく素直で優しくて憎めない、みたいなね。愛すべきって人柄がにじみでている。
そんなね、そんなふうな性格ばかりじゃないじゃないですか。妬みとか嫉みとかもあるだろうし。チラッとは考えてるんですけどね、それもメタに見られる分別があるっていうか。そう、分別、かなぁ。
でね、結局、うわーと思うんですよ。見習いたい!ってね。私割とっていうか、相当自由に育てられてきてて、この年になっていろいろ恥ずかしいことばかりなんですよね。いい年して適切な口上も言えないような。
あと、元祖丁寧な暮らしというか、奉公人たちがしっかりまじめに働いてるわけですよ。朝起きて、掃除して、倹約に努めてね。そりゃね、奉公だから。そうなんですけどさ。
私、一人だからなにをしてもいいんですよ。休みの日なんか何時に起きてもいいし寝てもいいし、掃除だってしてもしなくてもいい。いいですよ自由。自由満喫してきました。今も日々満喫してます。でもね、それって自堕落でしょ。自堕落万歳?そんなロックに生きるのをヨシとしたいですよね。ああ、ヨシとできたらいいですよね。でも逆にきちんとしたい欲が勝ってるんですよね。だってね、ロックまでいけたらいいですよ?でも、ロックじゃなかったらただの幼稚でダメダメな凡人なんですよぅ。