パンダの土曜日
パンダがこっちを見ている。
見ているというか、前を向いて笹を食べているパンダが目の前にいる。
普段は車通勤のわたしだから
朝に電車に乗ることはとても久しぶりなのだけれど
パンダという誰もが「かわいい」と感じざるを得ない生き物を
ボックス座席の進行方向1番前の壁に貼り付けているというのは
宣伝広告というよりも癒し効果を狙ってのものじゃないか?と思ってしまうのだった。
今日は土曜日。
わたしは好きな人のもとへ、好きな休日を過ごしに行く。
そんな日に見るパンダは
「かわいいねえ、笹おいしそうだねえ」
という感想であるが
もし電車通勤をしていて
日々憂鬱な気分で職場へ通うときに、ふと顔を上げ、進行方向をみたときに
美味しそうに笹を食べるパンダを見たら、、、
「 」
なにを思うだろうか。
パンダに癒されるだろうか。お前は気楽でいいな、と嫉妬するだろうか。もうサボって会いにいっちゃおっかな、とかなるだろうか。
どちらにせよ、宣伝だけではない
心が揺れる広告を見ると、そのひとの意図などを深読みしてしまう私なのであった。