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自然と人間

 帰宅しテレビをつけると、番組の中で古びた食堂が紹介されていた。家族で経営し息子さんが料理を作り接客を母親がやっていた。すでに周りはシャッター街となっていたが、その店だけは行列ができていた。
一度は店を閉めてしまったそうであるが、店を閉めてから元気がなくなってしまった母親の姿を見て、フランス料理店で料理長をしていた息子が一緒にやろうと復活させたお店だった。そこまで聞くとなんとも良い話となるが、それだけではない、その料理を作る息子さんの食材に関する知識の深さだ。
その中の一つ食材を漬け込んでいるタレの塩分濃度0.85%へのこだわり、人体の体液の塩分濃度に合わせていることで、食べた時においしさを感じられると仰る。
これを聞いた時に思い出したのは、人が森林に入ったり植物に囲まれている時に感じるストレス緩和機能だ。
私たち体内の神経細胞は樹木のように枝を広げている。この神経細胞の広がりと実際の植物には三つの類似性、枝の密度、分離可能性、自己相似性があるとされている。だからこそ森林の中や植物に囲まれることで、自然と同化してリラックスするののだろうと思っている。
そして先ほどの塩分濃度、海の塩分濃度は約3.4%あるが、生命が海から陸上に生活を移した頃の塩分濃度は約0.85%だったようだ。
これらの話を聞くと、人間という生命は自然と共にあったのだと感じるのである。

terrestrial Ⅲ


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