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terrestrial II

 昨年のArtBook terrestrial に続き、terrestrial IIを制作し、7月1日から六本木の富士フィルムフォトサロンで開催されいているARTBOOK INNOVATIONに参加させてもらっている。

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terrestrialでは、崩壊していく自然林、放置され荒廃しつつある人工林や竹林など荒れる山間地を撮影してきた。荒廃は温暖化の影響による気象変化により激しさを増してきているようである。山が荒れれば、海が荒れる。勿論それは、見た目の光景ではなく植物プランクトンの栄養塩が川から海に運ばれず魚が減ることから言われてきた。

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実際の栄養塩の様子など目視できるわけないのであるが、河口付近がどうなっているか興味を持ち河口に行き始めた頃から撮影が始まった。
当初は様々な河口を撮影しようと考えていたが、護岸で整備された河口より、自然のままの場所を選んだ。結局、流木の多い大井川河口を中心に行くことが多くなった。
撮影場所は前回よりも狭い範囲での撮影となったが、風景の方が変化していく光景を何度も見ることができた。

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 撮影は前回と同じく8×10のフィルムを使い、銀塩プリントそしてBook用にフィルムをスキャニングしてデータを作成した。フィルムを用いるのは、大判フィルムから作る美しい銀塩プリントが欲しいから、勿論、デジタル写真でも綺麗な作品は作れるが、銀塩プリントの独特の美しさを選んだ。
この状況を単なる汚い風景として見せるのではなく、綺麗にプリントされた汚い風景を見た時にアンビバレントな感情を持たせる事で問題意識をより強くさせたい思いがあったからだ。
そして、Book用のデータ作りはオンデマンド機における色の転びを防ぐため、CMYを抑えながら墨主体のデータ作りを実施、CMYをどれくらい抑えるかは、実際のテスト印刷により確認し決定、結果としては色の転びは起きず、黒の締まりも前回より良くなった。ちなみに、今回のデーター作成に関しては時間の関係もありデザイナーの方に調整してもらっている。
5月からデータのレタッチを開始してから、短い期間であったがなんとか7月1日からのARTBOOK INNOVATIONに間に合った。展示も残り数日、21日までとなったが、多くに方に見てもらえればと思う。
 写真集出版にあたり、似たような写真ばかりの中から、素晴らしい編集を行なってくれた、編集者でディレクターの後藤繁雄先生、有限会社リムラムデザインの林修造氏、オンデマンド用のデータファイル作りに協力いただいた株式会社ネオプラン河田純氏、データの送付や連絡調整等を行なってきれたアシスタントディレクターの山下萌子氏には大変お世話になり、ありがとうございました。

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