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ポンペイ遺跡のカンティーンにて〜ポンペイ展で思い出す初めての出会い

京都 ポンペイ展

昨日、京都で開催中の「ポンペイ展」へ行ってきた。10年程前、2度目のナポリ旅行で考古学博物館へ足を運んだ。その時に目にした品との再会になる。この展覧会、「本当にこんな沢山持ってきてもいいの?」と思うくらい名品だらけだ。これだけ持って来れば、今、現地ナポリの博物館をわざわざ訪れた人はさぞがっかりするだろうと思う。目当ての品がないのだから。

京都市京セラ美術館 リノベーション後の初訪問
歴史ある作りとモダンさが融合し、素敵な雰囲気を醸し出している

初めて食べた、あの日を思い出す

ポンペイ展で思い出した。遡ること30年程前、初めてのナポリ訪問時にポンペイ遺跡を見学した。ナポリからは1日の小旅行だ。夏の暑い時期でどこにも日陰のない遺跡の中をひたすら歩いて制覇した。あまりの暑さに犬さえも舌を出してわずかな日陰に寝そべって動かなかったことを覚えている。まだ若く体力があったから果たせたことで、今なら無理だと思う。

昼食を取ろうと、遺跡の中にあるカンティーン(セルフサービスの食堂)に入った。列に並んで欲しいものを頼む。自分の前の男性が目の前のショーケースの食べ物を頼む。見たところコロコロとした小さい白いもの。
「えっ?豆腐?イタリアにあるわけないやんな」
と家内と話しながらも、「同じものを!」と試しに頼んでみる。食べても何かわからない。
「豆腐ちゃうね。でも何やろう?」

これが私と妻がモッツアレラチーズを食した初経験だ。夏の暑い中を歩き回った後で、モッツアレラチーズがとてもサッパリして美味しかった。今から思えば、当時は恐らく牛ではなく水牛のミルクだったろう。その後、カプレーゼサラダを知り、しばらくはデパ地下で空輸のモッツアレラを予約して買っていたが、そうこうするうちに日本製が出回るようになり、とうとういつでもどこでも買い求められるようになった。

ということで、今では誰でも知っているモッツアレラとの出会いは30年前のポンペイ遺跡のカンティーンでのことであった。

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