兄夫婦と行くイタリア旅行 ローマ編(3)
バチカン博物館
バチカン博物館の予約は9時。地下鉄A線のテルミニ駅からスペイン広場やバチカン博物館方面の路線が工事で閉鎖中なので、ホテル前の停留場からバスで行くしかない。地下鉄の部分運休に伴って、バスが増発されているような様子だ。博物館近くまでのバスがあり首尾よく辿り着いた。
昨日のサン・ピエトロ寺院もそうだが、今までで見た一番長い行列だ。多くの施設が予約を必要としていて、15分前に来るように促しており、皆が15分ほど列に並んでいる状況だ。公式の予約数が限られているため、入場しようとすれば現地の団体ツアーに申し込むしかないからか、今までに見た中で、団体がとても多い。それが行列が長く見える理由のように思える。何れにしても予約さえあれば間違いなく15分程度で入場できる。
以前はあった紙の館内案内図がなく、QRコードで地図を読み込む方法に変わっている。でもスマホの画面ではとてもじゃないが小さくて見えない。係員に現在位置を尋ねてスタート。
入り口付近には、エジプトの展示。続いて、ベルベデーレのトルソやラオコーンのような古代の彫刻が展示されている。あまりにも展示物が多いので、流して行かないと日が暮れるし、目玉のシスティーナ礼拝堂や有名絵画をじっくりみることができない。
地図の間を急いで通過し、システィーナ礼拝堂の前にあるラファエロの「アテナイの学堂」などの作品には時間を割く。そして、はやる心を抑えて、シャガールやモランディなどの現代芸術もきちんと鑑賞する。
その後にいよいよ最後の審判との再会だ。礼拝堂の中は涼しく快適に保たれている。教皇選挙、コンクラーベが行われる舞台なので、冷房くらい必要だ。持参したガイドブックを参照しながら、ひとつひとつの壁画にテーマを確認しながら見る。写真撮影は禁止。係員が静粛を促したり、通路に立ち止まらないように注意する声を聞きながら、じっくりと鑑賞した
ひと段落ついたので、館内の食堂で昼食をすませ、最後に絵画館へ。ここにも有名作品があり、見込んでいた時間を1時間ほどオーバーして、見終わったのは2時を過ぎていた。途中、お土産のお店で何度か立ち止まり、螺旋階段をぐるぐると降りて退館した。
ローマパス入手
サンタンジェロ城は予約なし。ローマパスで優先入場できるからだ。しかし肝心のローマパスがいまだ入手できずにいる。
徒歩でサンタンジェロ城に向かう。入り口近くにインフォメーションがあり、なんとそこでローマパスが売られていた。サンタンジェロ城を含め、3箇所でしか扱ってないと言われた。
4人分のローマパス48時間を買い、サンタンジェロ城は無料で優先入場する。明日はコロッセオをローマパス割引で予約をしてしまっている。差額を払えば大丈夫だとは思うものの、万一ローマパス無しで、入場を断られたらと思うと、買っておいた方が間違いないと判断した。兄嫁がリクエストした場所だもあり、せっかくの予約がふいになることは避けたい。
サンタンジェロ城
サンタンジェロ城は日本語で言えば「聖天使城」。「天使」とは城のてっぺんにいる大天使ミカエルだ。剣を持った姿でわかるように、戦さの天使だ。
天使に名前があるのも面白い。因みにマリアに受胎告知を行ったのは天使はガブリエル。あと有名?なのはラファエルだろうか。
聖書には「天使の大群」などと言う言葉も出てくるので、有名天使以外は、「その他大勢」なのだろう。また、悪魔についてはよくルーシファーという名前がでてくる。
話がとんだが、ヨーロッパでペストが流行した時、大天使ミカエルが現れて、ペストをおさめたとの言い伝えがある。その現れた場所が今のサンタンジェロ城だと言うわけだ。
城内には取り立てて見るものもないのが本当のところだ。バチカンと城を結ぶ城壁の上を映画「天使と悪魔」のように通れたら面白いと思うが、やっぱり映画の中だけの話だ。
この映画の中では、教皇の候補者がここに囚われ、市内4箇所で古代ギリシャの4元素(火・水・風・土)にちなんで殺されるという展開だった。ラングルトンの活躍により、4人の候補者のうち、ナボーナ広場の噴水に重りをつけて沈められた枢機卿だけが救助され、教皇となった、というストーリーだった。
それにしても、城からの眺めはとても良い。途中にカフェがあるが、そこからはバチカンが綺麗に見える。とても絵になる風景なので、気に入っている。また最上階が広々とした感じで、街並みがよく見える。それに大天使ミカエルが間近に見ることができて、いい撮影スポットだ。景色を楽しんで、城を後にする。
サンジョバンニ・イン・ラテラノ教会
サンタンジェロ城からはバスでサンジョバンニ・ラテラノ教会へと向かう。ローマで一番古い教会だ。
以前と違って、入るのにはセキュリティチェクが行われる。ローマの教会の中でも由緒ある4つの教会、バッシリカとされている。因みに日本にあるバッシリカは長崎の大浦天主堂の小バッシリカひとつ。
広い聖堂内の天井は煌びやかに飾られ、後陣の天井絵は絢爛豪華。堂内は12使徒の像が身廊の両脇に並んでいるのが壮観だ。格式の高い大聖堂だ。
スカラ・サンタ
豪華な聖堂を見た後は、すぐ近くのスカラ・サンタ(聖なる階段)見に行く。キリストがピラトの官邸で裁きを受けた時に上ったとされる階段をローマまで運んだと言う。
見ると、信者が祈りながら跪いたまま階段を上っていく。階段はかなり長く時間はかかりそうだ。われわれは隣の階段を歩いて上り、小さな聖堂を見学。ミサが始まるタイミングで退した。
サンタ・マリア・マッジョーレ教会
今日の最後の訪問はサンタ・マリア・マッジョーレ教会。先のサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ教会と同様にバッシリカである。この聖堂も、使徒座が置かれたことのある、由緒正しい聖堂だ。やはり、サン・ピエトロ寺院をはじめ、バッシリカと認められた聖堂はセキュリティが厳しいようで、X線検査をされる。銃を持った軍隊っぽい制服の若者が詰めている。
堂内はサンジョバンニ・イン・ラテラノ教会に負けず、豪華だ。ひと通り見学が終わろうとした6時ごろに、ミサが始まる様子。兄夫婦がミサに参加すると言うので、ここで解散。ホテルまでは徒歩ですぐなので、安心して別れた。我々2人は向かいのスーパーでビールとプロセッコの小瓶、スペインでよく食べた懐かしい平らな桃を買い込んで、ホテルで一杯となった。
夕食は初日に出かけた店を家内と2人で出かけた。部屋で飲み、桃も食べたので、あまりたくさんは食べなかったが、3品をシェアしながら頂いた。
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