第76回 正倉院展 2024
昨年に引き続き正倉院展に行ってきた。最終日の11月11日(月)のことだ。前日にネットで11時入場のチケットを取り(見事に111111と並ぶ)、当日は朝8時過ぎに家を出て奈良に向かった。
神戸三宮から9時4分発阪神の奈良行き直通列車に乗車。始発なので座って奈良まで乗り換えなしで行けるのが良い。奈良には余裕を持って到着。圧倒的に多い外国人観光客が改札に慣れないためか渋滞が発生する。
駅を出てからは時間があるので奈良国立博物館までゆっくりと歩く。周囲は本当に外国人観光客だらけ。何故か鹿にお辞儀をさせようとする人たちばかり。何をそんなにお辞儀させたいのか、すんなり鹿せんべいをあげないから鹿に追っかけられるのだ、などと思ってしまう。
ところで、11月11日はポッキーの日。ポッキーといえば万城目学の小説『鹿男あをによし』で神の使いである鹿がポッキーが大好物の設定だった。ところがこの作品がテレビドラマになった時にはスポンサーの関係か、はたまた観光客が鹿にポッキーを与えるのが困るからなのか、「ポッキー好き」の設定は削られていたのを思い出す。
この時期は鹿は気が荒くなる季節で、そこここに注意を促す看板が出ている。この日は珍しいことに喧嘩する鹿を3組ほど目にした。本当に危ないようだ。
入場時間の少し前に列に並んで入り口まで進んでいく。同じ11時の時間帯にかなりの人が入場するようで、いつもながら混雑ぶりは結構なものだ。展示スペースの関係もあるので展示品の数自体はそれほど多くはないが、展示品は充実しており、一つひとつの細かな造作をじっくり見ると時間がかかる。
面白いと思ったのは、当時の役人がアクセサリーとして身につけたガラス製のミニ定規。何故こんなものを身につけたのかというのも面白いし、ミニ定規自体も綺麗な色をしている上に、今の定規と同じように正確に目盛りがついている。
また、収蔵品の模造を行う試みも興味深い。今回も模造品の展示が複数あって、オリジナルに忠実に模造を行なっていた。装飾や色が鮮やかに蘇り、展示物の理解を深めるには良い企画だった。
1時間半ほどで全て見終わり、記念品として販売していた伎楽の仮面劇をモチーフにした日本手拭いを購入し、昨年と同じ駅近くのカフェでお昼を食べ、他にはどこにも寄らずに神戸に戻った。年一回、秋に行われる正倉院展。展示の内容に大いに満足したことであった。
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