熊野古道を行く4 まとめ
中辺路西半分
2日間をかけ、滝尻王子から熊野本宮大社まで歩いてみての感想をまとめたい。中辺路は熊野本宮大社から更に伸びているが、ここまでのルートで巡礼完踏の1つと認められている。その前後の移動にも時間がかかることを考えると本宮で一旦終了というパターンが多いようだ。
バスの時間と本数
スタートの滝尻王子までは紀伊田辺駅からバスで移動することが多い。ただ、バスの本数は少ない。1日目、近露を目標に午前中に歩き始めようと考えると6時16分の始発(3月までの冬ダイヤ)に乗ることになる。この時間、駅前のコンビニも、勿論観光案内所も閉まっている。したがって、お昼ご飯も、巡礼手帳(スタンプ帳)も前日に手に入れておく必要がある。
宿の確保
このルートの半分くらいの所で宿泊ができれば一番良い。ところが泊まれる所が極端に少ない。民宿、B&Bなどが主で、規模が小さい。しかもネット予約ができ、外国人にも人気のため、早くからおさえられているようだ。この辺りで宿が取れない場合には、私のように本宮に近い温泉地などで宿を確保するしかない。熊野古道からアクセスの良いバス停まで歩き、一旦移動することになる。そして翌日バスで前日の終了地点へ戻る。
先に書いた通り、バスの本数は限られているため、何処でどの時間にバスに乗るのかをよく検討しておく必要がある。バスに1本乗り遅れると、2時間ほど時間が空くし、最終のバスの時間も比較的早いので間に合うよう時間を見ながら行動しないといけない。ということで、駅前の観光案内所で事前に巡礼手帳と共にバスの時刻表を忘れずに貰っておくことだ。
食事の確保
食事の確保も気をつけたほうがいい。私は2日目に朝食付きの宿を取ったが朝出発の時間が早くて朝食会場が開いていないため自分で前日に用意した。1日目に滝尻王子を朝出発すると、お昼頃に牛馬童子口のサービスエリアにつくので、そこで昼食は可能だが、心配ならこれも前日に用意することだ。
2日目のお昼ご飯は、宿によっては弁当を用意してくれるところもあるが、そうでなければ、途中食堂もないので、前日に確保する必要がある。私の場合は川湯温泉でコンビニもなく温泉宿の売店でパンを見つけて何とか凌いだ。
本宮大社に到着後はB&Bに宿泊したが、この辺りで夕食が食べられる所は2ヶ所。休業日もあるので、あらかじめチェックした方が良いかもしれない。私はB&Bが経営するカフェで夕食をお願いした。カフェの一般営業は終了しても宿泊者には便宜をはかって用意してくれている。
外国人巡礼者
何かと不便さはあるものの、歩いてみて美しい景色、適度な距離と負荷、温泉地があること、(泊まれなかったけれど)魅力的な民宿、親切な地元の方々、そして厳かな本宮大社と満足度の高い旅だった。外国人を惹きつける魅力が溢れているように思う。実際、歩いているのは半数以上が外国人だった。
2日目の朝、スタート地点で出会ったニューヨークから来た男性と仲良くなった。同じ時間帯に出発すると、途中で抜きつ抜かれつ、何度も出会う。自然と言葉を交わすようになった。ゴールの本宮大社で別れたと思ったら、同じB&Bに宿泊、翌日は同じバスで紀伊田辺まで移動。バスの中でもいろんな話をして楽しかった。そんな国際色豊かな交流ももう1つの魅力になりつつあるのかもしれない。
サンチャゴ巡礼へ
今回サンチャゴ巡礼用の装備に近い重さのザックを背負い、1日20キロ弱の道を歩いた。宿も簡素なところを選び、自分で手洗いで洗濯もやってみた。たった2日間ではあったけれど、少しその雰囲気は掴めたように思う。色々と装備に反省点もあったが、サンチャゴ巡礼への出発まであと3ヶ月あまりで何とか対応できそうだ。目指すDual Pilgrim(共通巡礼)の1つを達成ができてホッとしている所だ。