兄夫婦と行くイタリア旅行 振返り(2) ローマの改修
ヨベルの年
旧約聖書には神が世界を6日で創造し、7日目に休養された、とある。そのため「7」は「完全」を意味する重要な数字となっている。また1週間が7日であるのもこれに由来する。
更には古代イスラエルでは7年目を「安息年」としており、この年には畑を休ませる慣わしがあった。その7年が7回巡った翌年、即ち7X7+1=50年目を「ヨベルの年」とされて奴隷は解放され、負債は免除された。
カトリック教会ではその50年の区切りを「聖なる年」と定め、ローマのサン・ピエトロ寺院をはじめとする4つのバッシリカで「聖年の扉」が開かれて、巡礼者がその扉をくぐることによって、赦免がなされる、ということが行われてきた。15世紀にはその50年が25年となり現在に至る。
西暦2000年のミレニアムは大聖年とされ、Jubileeという英語の言葉も見かけられたが、これは「ヨベルの年」からきている。また大聖年には先進国は途上国の負債を免除しようとの動きもあったが、これはヨベルの年には負債が免除されたことに由来する。
2025年
前置きが長くなったが、来年2025年がその聖年に当たる。イタリア、バチカン、ローマでは聖年に多くの巡礼者を迎えるにあったって、その施設設備や礼拝施設などの改修工事を行なっている。
ローマ市内では地下鉄A線で工事中。サン・ピエトロ寺院でも祭壇や後陣、さらにはミケランジェロのピエタ像の前に置かれているガラスを更新するため、ピエタ像も見れなくなっている。(レプリカあり)
サンタンジェロ城の橋の上の像も改修で姿も見れない。ナボーナ広場広場の噴水も完全に覆われて全く雰囲気は味わえない。ボルゲーゼ美術館の2階の大部分は閉鎖中だ。
フィレンツェでもサン・ジョバンニ洗礼堂が入場はできるものの、改修で天井が見えなかったのは残念だった。
こういった情報はある程度把握していたものの、訪問して初めて知るものもあった。特にサンタンジェロ城前の橋とナボーナ広場は楽しみにしていただけに、残念だった。
2024年か2025年か
兄夫婦を連れて行くのは、果たして今年で良かったのか、来年まで待ったほうが良かったのか。来年ならば工事も終わり、もっといい状態の観光ができたと思う。ただ、今年よりさらに訪問者が多くなるだろう。一方で年齢を考えると、行ける時にさっさと行っておいた方が良いとも思う。
正解は分からないが、その時々の都合で考えるしかないとも思う。
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