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1.17 Kobe

29年前の1月17日早朝のことは、つい先日のように覚えている。マンション1階の寝室で急に突き上げるような大きな揺れに、目を覚ました。しばらく何が起こっているのか理解ができなかった。その時に頭に浮かんだのは、冗談ではなく、巨大な怪獣が建物を揺らしているイメージだ。他に理由が思い浮かばなかったのだ。

冬の早朝であたりは暗く、電気、ガス、水道が止まる。テレビがつかないので、どこで何が起こっているのかの情報がない。自室の外に出てみると、寒い 中、マンションのエントランスホールのソファに座ってラジオを聴いている人がいた。話を聞くと、上階の方で揺れが相当ひどく、怖くて1階まで降りてきたらしい。また、市内で倒壊したマンションがあるとのラジオの情報を伝えてくれた。

身内が心配になり、電話をかけるがつながらない。公衆電話がつながると聞いて、マンション内の公衆電話から市内の実家に電話で安否確認をする。皆無事とのことで、安心する。出勤の時間になって、最寄りの地下鉄駅まで行ってみる。途中の信号は停止、地下鉄は運行していなかった。その日は出勤を諦める。今から考えると、仕事に行こうとする方がどうかしている。でもその時は震災の様相が全く掴めていなかった。

1月17日の神戸ではあちらこちらで追悼行事が行われる。今年も勤務先で阪神淡路大震災と能登半島沖地震の犠牲者のために黙祷を捧げ、シェイクアウト訓練を行なった。1月19日からは震災の犠牲者の鎮魂の行事、ルミナリエが始まる。

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