CAMPFIREを卒業し、noteにデザイナーとして入社しました 【入社エントリ】
2024年8月31日をもって、5年3ヶ月間在籍した 株式会社CAMPFIRE を退職しました。
9月からは、note株式会社 のプロダクトデザイナーとして新しい挑戦を始めています。今日で1ヶ月が経ちます。こういう類の時間の経過の速さは、ずっと理解できないままなんだろうな。日々新鮮さと驚きの連続で、汗と涙と(?)ワクワクが入り混じりながら走っています。
わたしにとってのnote
これまでに経験したことのないプラットフォームだった
noteは私が苦手であった「発信」という壁を初めて乗り越えた場所であり、個人的な原体験が詰まったサービスです。noteで学びを記録をしながらデザイナーになった友人もいますし、知らず知らずのうちに、本棚にはnoteをきっかけに出版された書籍がいくつも並んでいました。
気づけば生活に自然と溶け込むような存在ですが、noteはあくまで「クリエイター」が主役となるサービス設計です。収益化の手段が一般的な広告ではなく「購入」してもらうことがメインであったり、SEO対策や 各ページでの露出においても、特定の著名なクリエイターに偏ることなく、誰もが公平に読まれやすい仕組みが作られていると感じています。
興味を持ったきっかけ
見えてきた関心領域
最初のきっかけは、CDOの宇野さんからお声がけをいただいたことでした。お話を伺う中で 今後の展望や課題についても聞くことができたのですが、その時はまだ転職するかどうかも悩んでいたため、一度じっくりと自分の思考を整理してみることにしました。
見えてきたのは、これまで自分が携わってきたことと、noteの「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」理念が非常に近いことでした。前職のクラウドファンディングサービス CAMPFIRE や、仲間集めサービス TOMOSHIBI に携わっていたときから「誰かの挑戦と活動をサポートしたい」欲のようなものが、根底にあるのだと気がつきました。
(最初から意識していたわけではないので、「なぜか?」と問われると難しいのですが… 自分自身の経験も影響していますし、家族や友人、応援している人たちの選択肢を増やしたくて、多分性質的にも得意なことなんだと、最近は思っています。)
クラウドファンディングとnote
CAMPFIREのクラウドファンディングは、起案者の想いをストーリーとして可視化し、それに共感した支援者と共に目的を達成することを主軸としています。プロジェクトが進む過程で支援者と起案者の間で新しい繋がりが生まれ、「ひとつの目的」に向かって歩める点が魅力です。
その一方で、noteは「創作活動の開始と継続」に重きを置いています。プロジェクトのように客観的な「達成」は設定されていません。「自分自身を表現し続けること」に寄り添い、その活動を読み手と共にサポートしていくことを大切にしています。
クリエイターが日々の創作を通じて、その過程で自己理解を深めたり、新しい人との繋がりを築いたり、ときには出版や映像化といったチャンスに巡り合うなど、さまざまな“いいこと”を見つけていくプロセスを主軸としています。
同じ活動のサポートをする文脈でも、このような切り口の違いがとても面白く感じられました。そして、[はじめる→続ける→いいことを見つける] これらのプロセスには必ずデザインの力が必要で、ここに携わりたいという気持ちがいつの間にかあったのだと思います。
入社の決め手は、クリエイティブな人たち
事業戦略や構想に興味を惹かれたり、noteらしさが好きだったり、理由は色々あります。しかし、最終的な決め手は クリエイティブに解決するカルチャーと、それを作ってきた「人」たち です。
CXOとCDOが同時に存在する組織体制を持ち、データチームにはUXリサーチャーが配属されているほか、UXエンジニアが運用するデザインシステムや、イラストレーターによって整備されたイラストシステムなど、効率化と品質向上のための工夫が随所にみられます。また、AIに関しても単にプロダクトへ導入するだけではなく、自分たちの業務フローにも活用し、メンバーのスキル向上やAIへの理解の深化にも貢献していると感じました。
これらの取り組みには、経営の意志も反映されていますし、経営陣のみならず メンバーそれぞれがクリエイティブな解決の仕方に価値を見出し、自らトライしていることが伝わってきます。
中長期的な視点での価値創造
noteの行動指針の一つに「クリエイター視点で考えよう」というものがあります。
最近では、ユーザーを中心とした考え方やアプローチも広がってきており、非常に良い流れだと感じていました。ただ、noteの場合はそれが想像以上に徹底されており、まさに「クリエイター視点で考える」ことを体現している組織です。
モノづくりにおいて、利用者に利用価値を届けることこそが最も大切な目的です。そのために、会社として利益をしっかりと立てることも欠かせませんが、それはあくまでも価値を届けるための手段に過ぎません。noteでは、この利益の立て方を中長期的な視点で捉え、短期的な利益に固執することなく、常にクリエイターやユーザーにとっての本質的な価値を見失わないようにしています。
本当にすごいことだと思うのが、フィードバック一つを取ってみても、自分たちのやろうとしていることが 本当にクリエイターの役に立つのか?という問いを常に大切にしています。たとえKPIを達成できそうなアイディアだったとしても、それがnoteの作りたい世界から遠のくのであれば、他の形を模索する。議論の規模を問わず、クリエイターにとっての価値を優先しながら意思決定することが日常的なのです。
こうしたカルチャーは一朝一夕で築けるものではないため、noteの基盤としてしっかりと根付いていることをとても尊敬しています。
現在、noteは第二創業期ともいえるフェーズに差し掛かっており、さらなる成長を目指す時期にあります。抽象度の高い課題を扱う場面が増え、これまで以上に多くの壁にぶつかるかもしれません。だからこそ、このカルチャーと、そこに向き合ってきた方達と共に乗り越えていきたい と思いました。
これからのこと
これまでに感じた数々の魅力がありながらも、noteにはまだ多くの成長余地があります。完成された印象を持たれやすいサービスですが、代表の加藤さんが「noteを使う人は増えたけれど、全員じゃない」とおっしゃっていたことがとても印象的で、まだまだ実現しなければならないことがたくさんあります。特に、Webやアプリを含むプロダクト全体には改善の余地が残されており、ユーザー体験をさらに向上させるための課題が盛りだくさんです。
また、noteではスピーディーな施策の実行を目指し、組織体制の見直しや新しい仕組みの導入が積極的に行われています。そこに合わせた業務プロセスやコミュニケーションの取り方についても、さらに効果的で変化に強い方法が見つかる可能性があると感じています。
個人的に思っているミッションは、まずは顕在化している課題の解消と、今後の開発に備えた環境を整備することから。これまでを支えてきたメンバーの皆さんと一緒であれば、大きく変化していく過程でもよいモノづくりができると思いました。
noteがあることで「発信の壁を乗り越えられた」「noteで書くと読まれやすい気がする」「収益を得ることができた」「創作活動を続けることができている」こういった体験を、今よりももっと多くの人にしてもらいたいし、クリエイティブを通して生まれる色んな ”いいこと” の母数を増やしていきたいです。
色々お気持ちを書いたのですが、戦闘力がまだ弱々しいので、目の前の課題を一つ一つ着実に解決し、進化に貢献していきたいと思います。わたしも早く堂々と創作の街づくりをしていると宣言したい!
改めて、どうぞよろしくお願いいたします。
書きました