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リハビリの定番シリーズ(2)ワイピング動作とは?

・よく机上でタオルやハンカチを使って動かして患者さんいませんか?
・タオルを左右・前後に動かしてること見たことありませんか?
・先輩のまねしようとしてそこまで考えられずワイピング動作を見ているだけの人いませんか?
3つめは一年目の頃の私です。すいません。

ワイピングをする目的や脳卒中の方だとどういう動きがよく苦手なのか、
行うことで身体機能、高次脳機能のどの点において向上が見込めるのか
日常生活に対してどう汎化されていくのなどお話しさせて頂こうと思います。

1.ワイピングの目的とはなんだろう?

ワイピングの意味は、拭う、拭く、拭きとるなどの意味です。
では脳卒中の方に対しての目的とはなにか。
文献でワイピングに関して調べてみると上肢手指に対しての研究が多く見られました。なので上肢手指に着目してまず考えていきます。

ワイピング動作では肩(肩甲帯)、肘、前腕、手関節、手指が連動して動くことが必要です。
そのため動作が不十分、拙劣さがあるときには上肢、手指の問題が考えられます(頭部、頸部、体幹、下肢が問題ということも考えられます)。
では目的とは、脳卒中の方だと上肢手指の屈曲筋の緊張の亢進が多くみられ自分の体から上肢手指を離していく動作が困難な方への介入で、ADL、IADL獲得のために使用することがあります(感覚入力や高次脳機能に関しては後日アップ予定)。


2.実際にワイピング動作ってどうなっているの?

前後方向に関してです。前後方向となると机上の高さにもよりますが肩のスタートする肢位が変わります。今回はちょうどおへそくらいの机の高さの前方に机上に手掌を置いた状態での動作で考えていきたいと思います。
前方:
肩関節屈曲運動~肘関節伸展運動~前腕回内位~手関節中間位~手指伸展位で前方へ。
後方:
肩関節伸展運動~肘関節屈曲運動~前腕中間位~手関節中間位~手指伸展位で後方(スタート位置)へと動作が行われます。
水平内外転方向に関しては、スタート位置に関しては前後と同じ位置からでそこで肘伸展を保った状態で行うこととします。
水平内転(内側)方向:
肩関節水平内転運動(大胸筋、三角筋前部、肩甲下筋、烏口腕筋)~肘関節伸展位(上腕三頭筋)~前腕回内(円回内筋、方形回内筋)~手関節中間位~手指伸展位(総指伸筋)で水平内転方向へ。
水平外転(外側)方向:
肩関節水平外転運動(三角筋中部後部、棘下筋、小円筋、)~肘関節伸展位(上腕三頭筋)~前腕回内位(円回内筋、方形回内筋)~手関節中間位~手指伸展位(総指伸筋)水平外転方向へ。
筋肉としては以上の動作を保つための作用する筋が必要です(主動作筋を述べています)。

ではその動作を行う際に脳卒中の方が苦手な動作や上肢としての機能向上を図り、ADLに汎化させるために気を付ける点などはあるのか。

3.ワイピング動作での観察・評価ポイント、要素とは?


脳卒中の方の場合ワイピング動作は2.で上げた動作を逸脱し肩関節水平外転や肘関節伸展が行いずらかったり、手指屈曲してしまう方が多くみられます。仰臥位や座位では単関節ごとだと行えているのになぜ逸脱してしまうのか。そこで考えられる要因を考えてみようと思います。
関節運動で示すと肩関節水平外転させようとすると肘関節が屈曲してくる方
肩関節水平外転+肘関節伸展は行えているが手指が屈曲してくる方。
関節可動域制限もなく、筋の短縮などなく、筋収縮、出力もあるのに
なぜこのような現象がおこるのか。

その時私は筋膜(arm line)で考えることもありあります。
「アナトミートレイン アームライン」と検索するとすぐに出てきます。
アームラインを理解することで上肢における問題点の抽出にヒントになることがあります。
様々な先生方が筋膜に関してわかりやすくお話しているため詳細は割愛させていただきます。
では先ほどお話しした現象が筋膜とどうつながりがあるのか。
簡単に説明するとDeep Front Arm Line(以下DFAL)、Superficial Front Arm Line(以下SFAL)が過剰に働きすぎていることで動作が行えないということがあります。
DFALとSFALは全般的に上肢の内側や手掌側を通っており
上肢手指の屈曲群を使用しているラインで
DBALとSBALは上肢の外側、手背側を通っており、上肢手指の伸展群を使用するためのラインと簡単には解釈しています(筋膜に関してはすごーく簡単に書きすぎているためしっかり調べてください勉強するとかなり深く現在も勉強中です)。
と考えるとDBALとSBALの筋が使用できると現象が改善することがあります。そのために筋を触知し、上肢の伸筋がどこから使用できていないのか収縮がみられているかを評価する必要があります。そのために触診は必須です。
例えば肩関節水平外転が困難なら大胸筋や小胸筋、肘が屈曲するなら肘関節屈曲筋の上腕二頭筋、手指が屈曲してしまうなら手指の屈筋群過剰に働きすぎているなど一例ですがそのようなことも考えられます。
他にも肩関節水平外転方向への動作に関して実際に自身で行ってもらったり、患者様の動きで比べてほしいのですが「伸筋群の収縮は触知できるな~」、
「でも肘関節や手指が曲がってくるな~なんで?なんで??」みたいなこともあると思います。
そのときに手関節や前腕遠位に着目してみるとタオルの上に置いてある手が母指側、小指側どちらに優位に体重が乗っていますか?
私たちが行うと小指側に乗ってませんか?
患者様だと肩関節水平外転させているのに母指側に乗ったままの方がいませんか?
尺骨は上腕と連動しており橈骨は手根骨と連動しています。なので尺骨を軸に上肢と手指の筋肉が働けているということが言われています。
そのため母指側だと筋膜から手指の屈筋群が働きやすくなります。

ではどのように介入をしているのか動画を用いて説明してみます。


4.実際のワイピング動作で説明


5.ワイピング動作をいかにADL、IADLにつなげるか


後日アップ予定です!!!


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