「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」
東京都現代美術の「高橋龍太郎コレクション」行きたいと思いつつ長いこと行けておらず、終了間際に駆け込みで行ってきました。
東京都現代美術館は、私にとってやや行きにくく、足が遠のきがち。しかし、この近くには美味しい紅茶の「TEAPOND」もあったりして、行けば楽しいのだが。
高橋龍太郎コレクションは、高橋龍太郎さんという医師の方の個人コレクションです。個人コレクションなので、規模的にどんな感じなのかな、と思っていたら、かなり膨大な作品数で驚きました。これは必見だったな、と思います。
入ってまず草間彌生の作品群。絵画、インスタレーションの映像や立体作品などなど、充実した展示でした。ここの部屋は撮影禁止だったのですが、初期の作品や、いわゆる草間彌生らしいものまでありました。
そのほかは、村上隆、奈良美智、会田誠、小谷元彦、森村泰昌、ヤノベケンジ、舟越桂、塩田千春、Chim↑Pomなど、メジャーなアーティストの作品もしっかりありつつ、私はまったく知らないアーティストの作品も全体の半分以上はありました。(私が詳しくないだけとは思うのですが。)
全体を通してみて、日本の現代美術史をしっかり観られたかな、と思いました。日本の現代アーティストは知らないだけでかなり層が厚く、今も作品を作り続けているのだな、と。それを支える高橋さんのような方がいて、こういう豊かな展覧会を観れるのは幸せなことだな、と思いました。
表現方法も多岐にわたり、絵、彫刻、立体作品、インスタレーションなどなど。本当にいろんな表現に触れられるので、たとえアーティストがわからなくても、それぞれが個性的で、その人独自の表現を観られるので、純粋に作品を楽しむことができました。当たり前ですが、一つとして似た作品などなく、圧巻でした。
点数が膨大なので、ひとつづつ観ていきながらも途中で割と疲れてしまい、ここはベンチなどもないので、観終わるとへとへと。時間も3時間ほどかかりました。(友人は6時間かかったらしい。)
個人コレクションなので、そこまでの規模と思っておらず、びっくりしました。個人でこれだけの規模を収集するのは大変な時間とお金がかかったのではと思う。高橋龍太郎さんは現在78歳。今も収集をされているのだろうか。これだけのアーティストの発掘はどのようにされているのだろうか。そして、作品の保存はどうされているのだろうか。
今後も高橋龍太郎コレクションの展示があったらまた行きたい。今回展示された物が全てではないと思うので。
どこかで、現代アートは時代を超えていない、時代の評価を受けていないので、あまり価値がないのでは、とあったのを見たけれど、アートは、時代を写すものでもあると思うし、表現というのは過去の作品たちの蓄積の先にあるものでもあり、うまく言えないが価値は確かにある、とこの展覧会を観て思いました。
図録は現代美術史を網羅したようなものでこれは必読と思いつつも、3000円越えだったので、その時は買わず、今も悩み続けている。
写真を撮れるところもあったので、写真を最後に。