「長崎の被爆者永井隆博士の遺言」より
以前、長崎原爆資料館で永井隆博士夫人の緑さんの遺品であるロザリオをみたことがある。ガラスが溶けて原型は留めていなかった。緑さんは亡くなるまでロザリオを離さなかったという。
永井隆博士が、子どもに残した言葉は、今の世を予測していたかのようだ。悼む。
「長崎の被爆者永井隆博士の遺言」
いとし子よ。
あの日イチビの実を皿に盛って、母の姿を待ちわびていた誠一(まこと)よ、かやのよ、
お母さんはロザリオの鎖ひとつをこの世にとどめて、ついにこの世から姿を消してしまった。
そなたたちの寄