15話足固めの儀のこと〜鎌倉殿の13人を見たあとのクソデカ感情を吐き出したい〜
ゆるゆるしか追いかけていないながら。tlやネットのアオリをうけて全裸待機的に再放送を見たわけですが。
おぉおぉいぃずぅみぃぃーーっっ!
ってなりました。
まんまとなりました。
頼朝ゲスい。まじゲスい。クズい。源氏のクズっぷりをみてると、三谷さんの方が源氏嫌いなんじゃね?藤本さん(平清盛脚本)の方がまだ源氏すきなんじゃ?ってなります。
とはいえ。
今後源氏の実権を奪いながら進んでいく北条を主軸とするのならば、どうしても平家以上に源氏(同様に朝廷も)が悪役になるのは、ある種しょうがないのですが。
しかしながら。
神回、という言葉はあまり好きじゃないのですが、今回の15話は本当に秀逸な回でした。
タイトルの「足固めの儀」は、万寿の足固めの儀、であると同時に、鎌倉幕府体制の足固めの儀でもあるのだと思いました。
頼朝が富士川の後京に上れなかったのは、坂東武者達が動かなかったからです。
坂東武者のコントロールができない頼朝にとって、鎌倉幕府体制はどこまでも砂上の楼閣でした。
その中で、自分よりも実質的権力を保持している上総介広常は、14話の流れを見る限りでも実際の坂東武者の中核だったわけです。
乱によって結束させ、それを収め、上総介を排してその中核に圧倒的権力として座る。
これにより、京への出兵が叶う、というところまで、どこまでも鎌倉殿体制の地固めが完成する回だった、と言うことだったと思うのです。
同時に。その足固めの儀、なるものが文覚のでっちあげである、という点で、
その足固めが、偽りの正当なものでないもの、というところまで裏の意味が込められているのが、三谷さん本当に恐ろしいなと思ったところ。
上総介誅殺は、旗揚げ最初期からの「弟分」である小四郎や、梶原景時の心理的離反を招きました。真心をもって頼朝を支えようとしていた上総介自身を含め、頼朝が「腹心の仲間」を失った描写でもあったわけです。
その中で御台所政子は、確実に御家人達の心理的信頼を獲得していきます。そう、頼朝が心理的離反を招く中、心理面の鎌倉殿体制の足固めは、政子を中心になされた、ということなのです。
御家人の内心に溜め込まれた源氏へのヘイト。源氏を通じて同時に溜め込まれた「京」への反発。
平家滅亡後の動乱への準備が、この時点でほぼ出来上がっているのです。
三谷さん、恐るべし。
もちろん、三谷さんだけの功績でなく。小栗小四郎義時、佐藤浩市上総介、大泉頼朝の、名演が今回の出来を支えており、
何より、この群像劇において、各御家人を演じているベテラン名俳優の皆様の名演が、一つの作品としての完成度をつくっています。
出演者全員に拍手を贈りつつ、今後も吉田は鎌倉殿をゆるゆるおいかけていこうとおもいます。