弱さと強さ———弱者に寛容な社会を
あなたの考える「強さ」とは何だろうか?
これはとても大きなテーマで、ともすればこれだけで本が一冊書けたり論文が書けたりするくらい重いテーマだと思う。
強さで検索するとこんなページがヒットする。
このページからもわかるように、強さとは一義的に定義されるものではない。
「強い」とは様々なものに対して使われる形容詞なのだ。
強い人というと真っ先に腕っ節が立つ人を連想するかもしれない。
力のある人は強い。
…果たして本当にそうだろうか?
だとすると、一番力のありそうなボクシングの世界チャンピオンみたいな人が強い人ということになる。
ところがあなたもご存知の通り、例えば銃のような武器を持っている人の前ではいくら腕っ節が立とうとも歯が立たないだろう。
では武器を振りかざす人が強い人なのか?
私はそれも違うと思う。
武器を振りかざす人は弱い。弱いから武器を必要とするのだ。
それではやはり腕っ節が立つ人が強い?
否、本当に強い人はそもそも他人を攻撃しない。
戦う必要がないからである。
そう、強い人は戦わずして勝つのだ。
相手をうまくいなす術を身につけているのである。
それでは、反対に弱者とはどんな人だろうか?
先ほどの理論で言うと、攻撃的な人が弱い人、と言うことになる。
恐れから他人を攻撃せずにはいられないのだろう。
いわゆる弱い犬ほど良く吠える、というやつである。
これはあくまで私が考える弱い人、というイメージである。
ところで、弱さについて言及する上で避けては通れない存在がある。
社会的弱者、障害者の存在である。
突然だが、私は自己責任という言葉が嫌いだ。
それは責任を放棄している者の言葉で、無責任に他ならないと思う。
なんでも自己責任で済ますような社会は絶対におかしいと思う。
社会的成功を収めたのはその人自身の実力?
私は違うと思う。運が良かったのだ。
障害を持って生まれてきたのはその人の責任?
断じて違う。たまたま運が悪かったのだ。
障害があることで幸せを諦めている人たちが大勢いる。
そんな人たちにヘレン・ケラーの名言を伝えたい。
”Being a disabled person is inconvenient, but it doesn't mean that I'm not happy.”
「障害は不便です。しかし、不幸ではありません。」
——— Helen Adams Keller(アメリカの教育家、社会福祉活動家、著作家)
ここで私が提起したいことがある。
弱いことは悪いことじゃない。
障害は悪ではない。
本当の意味での強さ・弱さというのは一目見ただけではわからない。
どんな人でも弱さを持っている。
一見強そうなあの人も、みんな弱さを抱えているのだ。
完璧な人間などこの世には存在しない、だからこそより高みを目指すのである。
自分自身と見つめあい、自分の弱さを認めることができたら、あなたはもっと強くなれる。
強さを長所と変換すると、他人にないものを持っていることが強みになる。
そう、強さとは個性でもある。
個性のない人間などいないのだから、誰もがみな強くなれると言えよう。
心理学の用語に捉え直し(リフレーミング)という言葉がある。
長所と短所は裏表の関係で、視点を変えただけに過ぎない。
そう、弱さというのは実は強みにもなる。
記事を書くにあたりある友人から助言を頂いた。
彼が考える強い人とは「自分の人生を歩めている人」だという。
たしかに…、満足している人、満たされている人は強いと言えると思った。
ちなみに、私の考える強い人は次の通り。
・自分の弱さを認められる人
・余裕がある人
・優しい人
・愛を知っている人
・人の痛みがわかる人
・人を許すことができる人
知っての通り、人は社会的生物である。
ある本によると、本当に強い人というのは「人に甘えられる人」だそうだ。
孤立しないように、時には助けを求めることも大事である。
よく言われているように、人は一人では生きていけない。
互いに支え合うことで人は生きていける。
一人では弱くても、みんな集まれば強くなる。
また、お金を稼ぐだけが社会と関わる方法ではない。
ネット上でも発信し続けたり意見を述べたりし続けていれば、それは立派な社会参加と呼べるのでは、とも思う。
エドワード・ブルワー=リットンが残した有名な名言がある。
”The pen is mightier than the sword”
「ペンは剣よりも強し」
——— Edward Bulwer-Lytton, 1st Baron Lytton(イギリスの小説家、劇作家、政治家、貴族)
言論は武器にも勝るのである。
この記事を見た人は是非とも発信して欲しい。
ここまで生きづらくなったのは社会が多様性を認めないから。失敗を許さないから。
入らないパズルを無理に枠にはめようとするから。無理にレールに乗せようとするから。
互いの弱さをオープンにできるような社会に、失敗に寛容な社会になれば、日本はもっと良くなると思う。
そして武器が必要ない社会になれば、それに越したことはないと思う。
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