『マルス -ゼロの革命-』 第5話「仲間の裏切り、そして死…衝撃の第一部、完結!」 感想
概要
放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2024年2月20日(火曜日) 21時00分~21時54分
脚本:武藤 将吾
音楽:未知瑠
主題歌:SUPER BEAVER「幸せのために生きているだけさ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
ゼネラルプロデューサー:中川 慎子 (テレビ朝日)
プロデューサー:田中 真由子、中沢 晋
監督:平川 雄一朗
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:テレビ朝日
番組公式サイト リンク
感想
借りは必ず返す。
でもまだその時じゃない。
前回の性急な行動が仇となり、一気に熱い手のひら返しを食らうマルス。
零は部員に対して冒頭の台詞で制止しつつ、國見社長と直接交渉に出ます。そこで國見社長が展開した持論は(この手の作品ではよくあることですが)中々耳の痛い正論。本人としては「もっともらしい方便」くらいのつもりでしょうが…。
ところで國見社長、「…かもな」で締めてはいますが、マルスの"革命"と自身の"荒療治"に通ずるところがあるって自覚しているんですね。二人とも
渾一にだけは"クロッキー社からのスパイ"の存在を明かすも、詳しいことは「秘密」とうそぶく零。「"確証"がないからまだ動かない」「反撃は"スパイ"を炙り出してから」ということでしょう。これまでとは一転して慎重な姿勢です。大した成長だ。
一方で、依然マルスを続ける気満々の久高と球児は暴走。同じ学校に通う真中凛(演:秋田汐梨)の「ホストの円城雅(演:上田竜也(KAT-TUN))に貢ぎすぎて売春を迫られている」という話を盲信して、雅に突撃。見事汚名返上…なわけがない。お察しの通り、雅は冤罪。見事に嵌められて恥の上塗りです。そらそうよ。「コントかな?」と思ってしまうくらいやり方が雑。なぜ「わかった、わかったから離せ!」という言葉を「売春強要を認めた言質」として捉えられると思ったのか。コントだとしても出来が悪い、笑えないジョークです。
その上、二人はホストたちにリンチされる始末。
満を持して"スパイ"の正体を炙り出した零。その正体は香恋でした。なんと彼女は國見社長の娘(彼女が生まれてすぐに離婚し、"貴城"姓は再婚相手のもの)。零が集めたメンバー(全員名前のイニシャルが"K")や第2話でのスマホをいじるシーンなど、一応"伏線"と呼べるものはありました。
彼女は"ミスターK"としての活動を「私は"私の正義"に従っただけ」と言いましたが、それこそがこの作品の本質だと感じました。このドラマではマルスも含めて「自らを"正義"と断じた人間は、同時に『自分は何をしても許される、なぜなら自分こそが"正義"だから』と思い上がり、"良心"のたがが外れる」ということが醜いくらいありありと描かれている。流石仮面ライダーと同じ放送局のドラマだな、と思ってしまいました(仮面ライダーもああ見えて「正義の多様性」「正義は一つじゃない」を清濁併せ呑んだような作品が多いんです。龍騎とか555とかビルドとか)。
ホストとの揉め事の最中、非常階段から落下し命を落とした球児。零からしたらトラウマを抉られる展開(…なのですが、個人的に"ミスターK"の正体含めて「とりあえずこうしとけば感動するっしょーwww」的な雑さを感じてしまいました)。
非常に後味の悪い第一部 完でした。
それにしてもこの手のテレビドラマは「みんじ党」が好きですね。他の党名をもじると殴り返されるからかな?