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『ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~』 第8話「12月24日15時37分~16時43分」 感想
概要
放送局:フジテレビ系列
放送日時:2023年11月27日(月曜日) 21時00分~21時54分
脚本:徳永 友一
音楽:佐藤 直紀
主題歌:ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」 (ユニバーサル・インターナショナル)
プロデュース:成河 広明
演出:三橋 利行
製作・著作:フジテレビ
番組公式サイト リンク
感想
蜜谷と念願の接触を果たした誠司(勇太)。とはいえ、"アネモネ"の連中から見張られている事実は変わらず。「俺はずいぶん愛されてるなぁ」などとジョークを飛ばす余裕からして、組織に捕まることなく蜜谷や桔梗さんから情報を得る手段は考えているのでしょうが…、彼らの善良な人間性からして一般人を巻き込むことは好まないでしょうから、そうならないことを祈ります。
会話の中で「天樹勇太は俺が殺した」と言った蜜谷。その言葉の真意とはいかに。個人的には「勇太は蜜谷の部下で潜入捜査のために"アネモネ"に入った」と予想しており、「殺した」の意味は「身分を偽らせた」だと推測していますが…。
『葵亭』では今夜のメインディッシュが決まっていないにもかかわらず、時生シェフは妻(査子の母)のお墓参りに行っている模様。ところが、その時乗っていたバスが勇太、蜜谷と"アネモネ"の者も乗り合わせていたのが運の尽き。成り行きとはいえ、勇太のバスジャックに巻き込まれてしまいました。勇太の人間性と蜜谷の立場からして一般人に危害を加えることはないでしょうが、「運のなさ」には定評のある時生シェフですからね…、それなりの"巻き添え"は食らいそうです(笑)
そして、紆余曲折を経てようやく一枚岩になった横浜テレビ。上層部にはバレないよう、殺人事件の報道特集に向けて準備を進めています。こういう展開だと「どの口が…」と不快感を抱かれるキャラが一人はいるものですが、このドラマではそういう人はいない。「(それぞれの立場があってのこととはいえ)人間的に悪い奴ではない」ということがわかっているからでしょうか。
一方、勇太がバスジャックに走った理由が判明。あえてバスジャックを起こし、警察に自身と蜜谷を囲ませることで"アネモネ"の連中を遠ざけ、身の安全を保証するため。蜜谷も言った通り「勇太の考えそうなこと」です。つくづく「肉を切らせて骨を断つ」戦術が得意だなと思いました。頭のキレはもちろん、しくじれば切られるのは肉どころじゃない状況下でそういう戦術を冷静に遂行できる。そういう精神力も凄いなと感服しました。
そして蜜谷に自分の正体を問う勇太。その真相はまさに僕が先述した「"アネモネ"に潜入捜査している警察官」でした。やったー的中だぜー。5年前、上層部に嵌められた勇太を蜜谷が拾い、潜入捜査をさせたのです。本来は2年ほどで捜査完了し、勇太を元の警察官に戻す予定でしたが、警察側にも裏切り者がいたため捜査は難航。あげく昨夜の殺人事件で犯人に仕立て上げられる始末。つまり、勇太は「2度も嵌められた」ということになります。
警察側に裏切り者がいるとしたら、やはり一ノ瀬捜査一課長(演:遠山俊也)が怪しいでしょうか?今回のバスジャック対応も含め、蜜谷もろとも抹殺しようとしているように見える動きは多いので。
バスジャックの人質になってしまった乗客を解放した勇太。中々降りなかった時生シェフが勇太に言った「君に何があったかわからないが、その時君が出した決断は決して間違っていない」「もし今少しでも心に引っかかりが残っているのなら、もう一度振り返って考えてみるべきだ」「そしてその時は、『自分の出した答え』をちゃんと相手に伝えるべきだと思う」という言葉、年長者ならではの"味"が出ていましたね。
その言葉を聞いて、時生シェフのみバスに残るよう命じた勇太。彼の言葉に思うところがあったのか…と思いきやハズレ(そもそも「意味のないことはしない」彼がそんな理由でそんなことをするはずがない)。彼の目の前で蜜谷に自身を撃たせることで、"アネモネ"に「勝呂寺誠司は死んだ」と錯覚させる、もしくは警察病院に身を置くことで再び身の安全を保証させるためでした。またしても勇太お得意の「肉を切らせて骨を断つ」戦術。その頭脳と度胸に脱帽です。
ところで、真礼が三者にどう関わっているのかがまだ見えてこないのが個人的には本作最大の謎です。さしずめ「三者を引き合わせたサンタクロース」といったところなんでしょうか?