『今日からヒットマン』 最終話「さらば十吉…涙の完結!愛の為に撃て」 感想
概要
放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2023年12月15日(金曜日) 23時15分~24時15分
原作:むとう ひろし『今日からヒットマン』(日本文芸社)
脚本:オークラ
監督:中前 勇児
音楽:井筒 昭雄
主題歌:King & Prince「MAGIC WORD」
ゼネラルプロデューサー:大江 達樹 (テレビ朝日)
プロデューサー:残間 理央 (テレビ朝日)、神通 勉 (MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
番組公式サイト リンク
感想
ひょんなことから殺し屋としても生きることになった稲葉十吉。彼の最後の戦いが幕を開けます。
アゴが設立した"100均"によって妻子を攫われた十吉。「名実ともに家族を人質に取られた状態」は初めて(今までも「十吉が"二丁"として殺し屋稼業を続けなければ家族が危ない」という状態ではありましたが)。敵がそれだけなりふり構わない相手である表れでもありますが、そんな状態にあっては流石の十吉も狼狽えるしかできず。「誰だってそーする、俺もそーする」って状況ではありますが…ピンチの中でここまで情けない彼を見て、ある種の安心感を覚えました。やや不謹慎な話ではありますが、「まだ『家族が危険な状態だと狼狽えられるだけの人間性』は残っていたんだな」って気持ちにはなりました。十吉からすればそんな場合じゃないですが…。
そして、動揺を"100均"に気取られぬためいつも通りサラリーマンとして励む十吉。重要案件の最中に家族の居場所がわかった彼はどちらを取るか逡巡しましたが、山本のフォローで家族の元へ向かうことに。「営業の仕事を誇りに思う彼が仕事を投げ出すくらいだから、相当な事態」「十吉に助けられた分、今は自分が十吉をフォローする」という山本の言葉には痺れました(相変わらずノリは軽いですが…)。深澤くん、それっぽい顔立ちも相まって「悪い奴じゃないけれど、軽薄さゆえに信頼はできない男」の役が似合いますね。
向かうは"100均"のアジト…ではなく射撃訓練場。将軍直々の指導で"自分の方位""正しいフォーム"などといった"射撃の基本"を徹底。このシーン、不謹慎ですが「射撃って奥が深いな…」「なんか野球(とくに打撃)の教え方みたいだな」と感心してしまいました。バトル漫画やスポーツ漫画の修行パートが結構好きな僕としては、これだけで1話使っても良かったくらいの奥深さです。
満を持して"100均"のアジトに乗り込む十吉たち。チンピラどもを躊躇なく射殺し、身も心も完全に"二丁"に…と思いきや、急所は外している("峰打ち"ならぬ"峰撃ち"といったところでしょうか)。先ほどの基礎訓練に伴う命中率向上によって、急所以外も正確に撃ち抜けるようになり、より速くより精度の高い"峰撃ち"ができるようになった十吉。
つくづく修行って奥が深いですね。そして基礎の徹底は大事ですね。本来はスポーツ漫画でこの感想を言うべきでしょうが…。
家族の救助は"コンビニ"の面々に任せ、自分はマンモスとの一騎打ちに集中。こういう時って、父親が助けに向かって「お父さん、実はね…」と打ち明けるのが王道だと思いますが、まさか「殺し屋だ」とは打ち明けられませんからね…。しょうがないですね。
マンモスとの一騎打ちは「将軍による基礎徹底」と「丸メガネのくれたお守り(防弾仕様の革ジャン)」によって"二丁"の勝利。お互い一発撃っただけなので、ともするとあっけなく思うかも知れませんが、個人的にはこういう決着の方が「達人同士の戦い」って感じがして好きです(いわゆる能力バトル漫画と違って「多彩な技がないから、新技で引き延ばす必要性が皆無」というのもありますが)。
こうして、十吉の"殺し屋稼業"は幕を閉じました。いつものようにサラリーマン稼業に勤しみつつ、家族と過ごす十吉。違うことは、休日出勤も快く送り出してくれるようになったこと。曰く「お父さんが頑張ってくれるから、私たちが生活できる」とのこと。全国の働くお父さんお母さんからしたら、是非自分ごととして聞きたい言葉ですね…(T_T)