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『大病院占拠』 第9話「大潜入」 感想
概要
放送局:日本テレビ系列
放送日時:2023年3月11日(土曜日) 22時00分~22時54分
チーフプロデューサー:田中 宏史
プロデューサー:尾上 貴洋
演出:大谷 太郎、茂山 佳則 (AX-ON)、西山 了(AX-ON)
脚本:福田 哲平、蓼内 健太
音楽:ゲイリー芦屋
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
番組公式サイト リンク
感想
今回で「P2計画」の全てが明らかになりました。そして謎の死を遂げた加賀大輝、日向聡介、山城琴音の真相も。
長都知事の政治家という立場を考えれば、「多数を救うために、やむなく少数を犠牲にする」というところだけは間違ってはいないと思います。それ以上に、近隣住民への説明もなく秘密裏に研究施設を建てたり、事故の隠蔽を図ったりとやらかしまくっているんですがね。
とはいえ、鬼たちのしたことが到底"正義"とは呼べないのもまた事実。特に今回のラストでは、長都知事にウイルスを打ち込むことで不特定多数の"罪のない人々"を危険に晒しました。仮面ライダーで「正義はひとつとは限らない」と学んだ僕ですが、今回のことで「一線を越えたな」と感じました。今までは(自分たちが理不尽に大切な人を奪われたからというのもあって)罪を暴くため以外には極力人を傷つけないようにしていましたが、今回しでかしたことは不特定多数の無関係の人々が病魔に苦しむ可能性が高い。私刑だとかそういう次元を超えて危険な行為です。
そういえば、インターネットで「フード理論」というものを目にしました。簡単に言えば、「善側のキャラクターは『美味しそうな食事シーン』を描き、悪役は『食事を粗末に扱うシーン』を描く」というものです。このドラマでは、それを逆手にとった手法が使われているなと感じました。
食事シーンが描かれているのは、鬼側の過去描写のみ。それも、美味しそうというか、連帯感や仲間意識のようなものが感じられる描き方。これによって、視聴者が鬼側に人間味を感じて肩入れしやすくなる。僕もまた、鬼たちにコロッと騙され肩入れしかけました。
ラストで、長門知事と青鬼の命運は動画視聴者の手に委ねられました。天はどちらに微笑むのか、そして全ての黒幕は誰なのか。最終回をお見逃しなく。