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『下剋上球児』 最終話「絆が繋いだ奇跡…最高の仲間と甲子園へ」 感想


概要

放送局:TBS系列
放送日時:2023年12月17日(日曜日) 21時00分~21時54分

原案…菊地 高弘『下剋上球児』(カンゼン刊)

脚本…奥寺 佐渡子
音楽…jizue
主題歌…Superfly「Ashes」
プロデュース…新井 順子
演出…塚原あゆ子
編成…黎 景怡、広瀬 泰斗
製作…TBSスパークル、TBS

番組公式サイト リンク

感想

 宿敵・星葉学園高校を打ち破り、三重大会 決勝へと駒を進めた越山高校。しかし、資金不足ゆえにこのままでは甲子園に出場できない可能性が。こればかりは南雲先生や球児たちの頑張りではどうにかならないのですが…彼らの頑張りを見てきただけにそういう事情が口惜しいです。

 とはいえ、そういう事情に関係なく試合はやってくるもの。決勝戦、越山高校 対 伊賀商業高校の幕が開きました。試合は静かな展開ですが、これまでのように強豪を倒したことによる驕りもなく、ミスが重なるような脆さもない。越山高校野球部が心技体揃って完全体になったかのように見受けられます。
 越山高校は先制こそされたものの、いつも通りガッツ溢れるプレーで食らいつきます。特に7回裏1アウト一三塁(2点ビハインド)で伊賀商業のスクイズを日沖くんがとっさの判断で二塁に送球しフォースアウト、その後一塁に送球してダブルプレーにしたシーンは実際の野球中継を見ているかのように超エキサイティングでした。そして8回表に執念の猛攻で一気に3点奪い逆転。最後は犬塚くんが三振を奪ってゲームセット。越山高校は見事、甲子園への切符をその手に収めました。
 結果にはもちろんのこと、それ以上に当初「どうせ自分たちは"ザン高"だから」とどこか不貞腐れたり冷笑的だったりしていた生徒や教師、周囲の人々が紆余曲折を経て一丸となって応援し、最後は下剋上に喜びを分かち合っていた過程に大きく感動しました。

 課題となっていた資金問題も、越山の下剋上フィーバーで一瞬にして解決。めでたく甲子園出場を確実なものとしました。(モデルとなった白山高校の史実を元にすれば)その結果は初戦敗退でしたが、この経験は生徒達にもその周りの方々にも大きな糧になったことでしょう。そして彼らの未来は様々ながらも、この経験を更に糧にして明るく輝くことでしょう。
 (明確に野球選手を続けているのは根室くん(社会人野球)と星葉学園の児玉くん(横浜)のみですが、それでもヨシ!)

 個人的に2023年10月クールのドラマでは一番感情移入できたし熱くなれた、最高のドラマだと思います。歴代「日曜劇場」の中でも間違いなく上位に食い込む名作です。

 ちなみに最終回で伊賀商業高校の監督を演じたのは"クセ者"こと元木大介さん(元 巨人)。(第7話では前田幸長さん(元 ロッテ、中日、巨人)でした。)
 横浜ベイスターズの球団運営をなおざりにしていた会社とは思えないゲスト出演の豪華さからも、いかにこのドラマに対して熱量を注いでいたのかが伺えます。

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