『今日からヒットマン』 第2話「囚われたゾンビ妻!?殺し屋とベッドイン」 感想
概要
放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2023年11月3日(金曜日・祝日) 23時15分~24時15分
原作:むとう ひろし『今日からヒットマン』(日本文芸社)
脚本:オークラ
監督:木村 ひさし
音楽:井筒 昭雄
主題歌:King & Prince「MAGIC WORD」
ゼネラルプロデューサー:大江 達樹 (テレビ朝日)
プロデューサー:残間 理央 (テレビ朝日)、神通 勉 (MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
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感想
第1話に続き、今回も展開が早い。そして十吉の「殺し屋の才能」が半端ない。
ただ、「展開が早い」とは言いましたが、いわゆる「駆け足」感は全くない。どちらかというと「無駄がない」に近いタイプの早さです。敵との勝負そのものが文字通り"一発"で片付くのも、むしろ「達人同士のやり合い」感があっていい(十吉はド素人のはずですが…)。
二丁(演:滝藤賢一)から"殺し屋稼業"を引き継がされた十吉。今回は二丁に恨みを持つ殺し屋・鷲男(演:金児憲史)が相手です。"決闘"の日時と場所は指定されているものの、躊躇なく十吉やその周辺人物に接触できる"コンビニ"や鷲男に対して、「自分が殺し屋になってしまった」ということは(当然ながら)誰にも打ち明けられず、「(シャブの売人とはいえ)人を殺してしまった」という罪悪感や「自分がしくじれば家族の命もない」という危機感も相まってストレスが溜まりに溜まる十吉。前回とは別ベクトルで圧倒的不利です。
とはいえ、自分と家族を守るためにもやらざるをえない十吉。"コンビニ"の一員で二丁の恋人だったちなつ(演:山本舞香)から託されたアイテム(二丁が生前使っていた銃、サングラス、革ジャン)を身にまとい、鷲男との"決闘"に臨みます。ハッタリを駆使して注意をそらしつつ、隠し持っていた銃で不意討ち。2話連続のジャイアントキリングです。今回に関しては「殺し屋の才能」というよりは「『二丁』のネームバリュー」が有効だったなと感じました。正体は"ただのサラリーマン"なのに、勝手に"著名な殺し屋"と思い込んで、警戒してくれた。そのおかげでハッタリや不意討ちもうまくハマってくれた、ということです。
あっけない幕切れで十吉の勝利…と思いきや、鷲男は死んではおらず、日を改めて"決闘"を仕切り直すことに。間違いなく前回の敗因となった不意討ちは警戒され、対策は練られている(例えば、西部劇にありそうな「正々堂々勝負せざるをえない方法での決闘になる」とか)。十吉にとってはかなりのピンチです。
そして迎えた第2ラウンドは案の定、正々堂々真っ向勝負。オマケに得意のハッタリと仕込みは間違いなく警戒されている状況。連続ドラマの第2話というメタ事情さえなければ敗色濃厚です。
十吉にとって勝ち目がないこの状況…と思いきや、軍配は十吉に上がりました。これには成り行きを見守っていた"コンビニ"習志野支部の面々もびっくり。彼らが驚いたのは勝負そのものではなく十吉の動向。昨日今日で銃を扱い始めた人間とは思えないくらい、的確で無駄のない動きだったのです。まるで元々銃の心得があるかのように…。
(メタ的なことを言えば「原作が『リアリティを求められやすい青年向け漫画』である以上ほぼあり得ない話」ではあるのですが、)十吉には何か隠された「殺し屋の才能」があるのではないか、と思わされました。むしろ、ここまでの"仕事ぶり"は営業で培ったハッタリや記憶力、洞察力だけでは説明がつかないくらいです。(僕がそういった設定の多い少年向け漫画を愛読するからと言うのもあるでしょうが)「前世or先祖が著名な殺し屋」の方がまだ説得力があると感じてしまいました。