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『どうする家康』 第9回「守るべきもの」 感想

概要

放送局:NHK 総合テレビ、NHK BSプレミアム、NHK BS4K
放送日時:2023年3月5日(日曜日) 18時00分~18時45分(BSP、BS4K)
     2023年3月5日(日曜日) 20時00分~20時45分(総合)

脚本:古沢 良太
音楽:稲本 響
語り:寺島 しのぶ

番組公式サイト リンク

感想

 今回、家康は鳥居忠吉から殿としての心構えを説かれ、「家臣を信じること」と「疑わしきは斬り捨てること」の二者択一を迫られます。いままで疑心暗鬼に陥っていたのが己の「家臣が(殿である自分に)ついてくるのは当然のこと」という考えの甘さから来ていたこと、「家臣がついて行く主君を選ぶこと」を心得た家康の「儂はそなた達を信じる、儂を慕う者のみついてこい」という言葉には今までとは違う重みがありました。

 結果として、戦は和睦、寺は元通りとなります。
 戦後処理の後、家康は一向宗側に"軍師"としてついていた本多正信から彼らが御仏に縋る理由、家康が"殿"としてせねばならなかったこと、悔いるべきは家康であることを訴えました。これまでも戦国時代の厳しさを見せられてはいましたが、合間合間で流れた正信の過去はより一層重いものでした。ここまで救いがないと、そら御仏に縋りたくもなる。
 それを受けた家康の「とうに悔いておる」という言葉にも相応の重み。正信も言っていたように「お人好し」の家康からしたら、身から出た錆とはいえ三河の者同士で争うのも、和議を申し出て騙し討ち同然のことをするのも辛かったでしょう。
 そして、それを経て乱世を終わらせようとする決意を固める家康。ここからどう"神の君"として導くのか、強く、同時に"強かな"武将になっていくのかは見ものだと思います。

 ラストで、一向一揆の影で糸を引いていたのは武田信玄と判明します。ここまではあまりストーリーに絡んでいなかった信玄ですが、ここにきて一気にネタ抜きで存在感を増してきました。個人的に武田信玄は大好きな戦国武将なので、信玄の動きも楽しみです。

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