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118回 医師国家試験 公衆衛生関連

今年も医師国家試験を受けた皆様、お疲れ様でした。

さて、今年も医師国家試験の公衆衛生の問題を振り返ってみたいと思います(118回)
ちなみに今年は昨年と比べると薄味な印象でした。
一方で、厚生労働省の方々の意思を感じ取ることができたのは例年通りといった印象です。

今回も印象に残った問題をピックアップしてみました。

A問題

A2,A7 ヒートショックとたばこ
いずれも是非おさえておいて頂きたい知識。ウォーミングアップ。

B問題

B14 飲酒
たばこの次は飲酒です。飲酒・喫煙対策をこれからさらに強く進めていきたいのでしょうか。
B9,17 RCTと感度特異度
統計・解析の問題が今年は多いように思います(C22,C53,C63,E2,F23
特にF23のt検定の問題は、国試でここまで出るか、といった印象
B47-48 日本で使える制度
B48はとても良い問題だと思います。一方でB47については今後もこの程度のレベルでとどめておいてほしいです。あくまで医師国家試験なので。
これに関連して、施設に関する問題も出されていました(C15,E38,F54)が、おそらく今後もこの傾向は続くのでしょう。

C問題

勝手な印象ですが、今年は産業保健に関連する問題が非常に多かったように感じます。
C8 局所振動
C20,F2 放射線障害
C52 三次予防
F15 作業環境管理
F30 特定保健指導
F35 特殊健康診断
C9 医師国家試験としてはかなり意味不明な(在宅勤務に関する)問題でした。これは誰に何を問うているのでしょう。
C48 今年の個人的削除問題。おそらくですが、「考慮しない」の間違いではないでしょうか。確かにどれが一番、と聞かれれば答えは明白なのですが、それだけでは現場では、、、といった感想。

ところで「病院における安全衛生管理について述べなさい」というのは労コンでも良く問われる課題です。この流れが医師国家試験にも来ているのかもしれません。(その意味ではE7も類題です)

次からかなり濃いめの問題が続きました。厚生労働省の気持ちが強く伝わってきます
C16 子宮頸がんとワクチン
この問題が出たということは、行政も本腰を入れて推進していくということでしょう。長かったです。
C19 訪問診療の要件
これです。もう先に言いますが、今年の公衆衛生の問題オブザイヤーはこの問題です。明らかに「アレ」を狙い撃ちしています。仕方ないです、派手にやりすぎましたから。
C24 患者の人権(強制入院)
これは来年以降も必ず出ると思います。昨年も出題されていたように思います。
C71 アドバンスケアプランニング
これは思うところがあるのでしょう。小藪さんのポスターが炎上してしまったこともあり、これからも正しい情報を伝えたいのだと思います。

その他の目立った問題としては
C28 摂取カロリー
これは医師も食事指導ができるようになりなさい、というメッセージでしょう。
C41 WHO
大変参考になります。

D問題

なし

E問題

知識問題が多かったです。
このセクションの点数と全体の点数との相関係数が一番高そう。

F問題

F1 ユニバーサルデザイン
昨年、ノーマライゼーションに関する問題は個人的に思うところがありましたが、今年の問題は好きです。
F9 お薬手帳
さて、来年あたりそろそろマイナンバーカードと保険証の問題が出てくるのではないでしょうか。

さてここから再度かなり濃いめが続きます。
F10 人口減少の時期
人口減少の責任は医師にはありませんよ、念の為言いますが。
F14 生活保護と現物支給
F16 僻地医療支援機構
医局がry
F27 後期高齢者医療費の財源
このメッセージは医学生向けではないように思います、はい
F28 SDGs
まさかSDGsが出るとは思いませんでした。きちんと理解している人はかなり少ないでしょうし、医師国家試験に出る価値はあるのだと思います。
F50 適切な受診先の相談先
これはおそらく全国的に困っている人が多いからなのでしょう。


最後に

繰り返しになりますが、今年の問題は昨年と比べると薄味でした。
公衆衛生についてはそれほど割れることも削除になることもなく終わるのではないでしょうか。
また取り上げられる分野として、統計解析や産業保健の分野で問われている知識が広く深くなってきているように感じます。

さて、今年の国家試験を代表する公衆衛生の個人的1問は
C19 訪問診療の要件
です。
後出しジャンケンですが、「それはもう、出るでしょうね」と。

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