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2020/8/17 今月の雑誌 読書#1

今月号のHarvard Business Review(2020 Aug)、
特集に「不安とともに生きる」
が載っています。
現在の就労環境における不安にも参考になると思いますので、
是非ご参考頂ければと思うのですが、
今月私が一番心惹かれた記事はこれではありません。
今月一番心惹かれた記事は

隈研吾「いまこそ、地球のOSを書き換えよ」

です。
これは控えめに言って最高でした。
建築家の仕事って、本当に偉大な仕事だと思います。

私が産業医として仕事をしていく上での”アート”に関する部分でも
建築家の哲学をもっと参考にすべきだと改めて感じました。

本記事の中で言われていたことは大きく下記の内容です。

・ コンクリート建築はわずか1世紀で世界中に拡散された
・ コンクリート建築は内・外をはっきりと分ける建築であり、
  内側の環境を優先する「大箱的思考法」が拡散された
・ しかし建築の中には人の生活があることに注意を払わなければならない
・ 「建築」のあるべき姿を考えるときは人の在り方を考えるべきである

隈研吾さんは建築家ですから、建築物のあるべき姿、というものを
考えていらっしゃいました。
そして、建築物は建築物として唯唯存在するのではなく、
人の生活の中に存在するものであるのだから、
経済性や合理性だけを追求するのではなく、
人の生活や在り方を尊重しなくてはならないということを
考えていらっしゃるのだと思いました。

私達産業医も同じように専門家ですから、産業医学のあるべき姿、
というものを考えなくてはなりません。
その時に隈研吾さんの哲学は大変参考になりました。
産業医学は唯唯産業医学としてそこに存在するものとして捉えてはならず、
労働や契約というものはやはり人(と会社)の生活の中に存在するものなのだから、
人(と会社)の生活や人(と会社)の在り方というものを尊重しなくてはならないのでしょう。

だからこそ、人はどう生きるべきなのか、であるとか
会社とはいかにあるべきであるのか、という議論が必要になってくるのだと思います。
(こういうことは実務には何の役にも立ちませんが)

そして最近では、CSRだとか、SDGsだとか、色んな言葉が使われますが、
そういったものを全てひっくるめて1つの言葉にすると
「企業は社会の公器である」
という言葉に行き着くのだと思います。

産業医学の背景として、この哲学も尊重すべきなのでしょう。


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